4月 10

暗殺教室

「暗殺教室」を観ました。

評価:★☆

2012年に少年週刊ジャンプに掲載されると同時に、爆発的な人気となった松井優征の同名コミックを、「海猿」シリーズの羽住英一郎監督が映画化した作品。僕は本作が映画になると聞いてから原作コミックを読み始めたのですが、これがこれが意外にハマりました。と同時に、アニメ化(現在、テレビアニメとしても放映中)はありかと思いましたが、この世界観を実写映画できるのかということに一抹の不安を覚えたのも事実です。で、実際に映画化された本作を観て、僕の心配は的中したな、、という感じです。

今までも、コミックやアニメの原作で、これは実写映画にするのは難しいだろうと思うものは何作もありました。思いつく範囲では、「デビルマン」とか、「ヤッターマン」とか、「キューティー・ハニー」とか、「変態仮面」とか、、、思ったように失敗した作品もありますが、「キューティー・ハニー」や「変態仮面」などは映画としては考慮が必要な部分はたくさんあるものの、原作の世界観は壊すことなく、上手く映画化されているなーと感心するものも少なくありません。その意味では、本作は映画としても、原作の雰囲気を再現するというどちらも失敗しているあきらかな駄作であります。映画としてはやはりお話がすごく安っぽい。コミックという体裁の範囲内では安っぽさなど感じる余白はないのですが、やはり映像にしてしまうと、”地球を破壊する”という未知の生命体が、同時に”落ちこぼれ生徒を救済する”という話が同居してしまうナンセンスさをうまく説明できていないし、代替えとなるような設定もつくっていない。原作を知らない人が見ると、ただただ全てのキャラクターが誇大妄想的な発言をしているヘンテコ劇としか思えないでしょう。

それに、各キャラクターの造形もすごい安っぽい。未知の生物”殺せんせー”はああいう生物なのだし、CG合成でつくられているので違和感はないのですが、E組の生徒にしろ、先生役の各俳優にしろ、原作のイメージ感に合う人は誰もいなかった印象です。唯一、イトナを演じた加藤清史郎くんが、随分大きくなったね(前は、忍たまでしたもんね)と思ったくらい。イリーナ先生とかは目も当てられない状況。。せめて、外国人をちゃんと使うとかということはできなかったのか。主人公の渚のイメージも僕の中では随分違ったので、残念極まりない感じでした。

といいつつ、酷評できないのは原作の持つ愛くるしさというのが作品中も垣間見えるところでしょう(これが映画全体にあれば、もう少し高評価できたのですが、、)。特に、殺せんせーを集中砲火する夏、花火をみんなで見るシーンなんかは味わいが出ています。しかし、これも原作の雰囲気を知っている人のみなので、それ以外の人は見る必要のない作品かもしれません。

次回レビュー予定は、「博士と彼女のセオリー」です。

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