4月 22

エイプリルフールズ

「エイプリルフールズ」を観ました。

評価:★★

人気TVドラマ「リーガル・ハイ」でコンビを組んだ石川淳一監督&古沢良太脚本で送るコメディ映画。4月1日のエイプリルフールの日に、嘘をつくことで真実に近づくという複数の人たちのドラマを群像劇として描いている作品になっています。クリスマスやバレンタイン(最近ではハロウィンやイースター)という輸入イベント(日本古来のものでないという意味で)、何か宗教上の聖なる日に纏わることがない、この4月1日に、誰が嘘を許容していい日と決めたのか分からない日になっていますが、日本でもBLOGなり、Twitterなりで、真実っぽい嘘をつく人も多かった一日じゃなかったかなと思います。幸か不幸か、この題名だと、4月以降に映画を興行していくのはちょっと苦しいのかな、、と思ってしまいますが(笑。

映画としては、正直予告編で想像できる範囲を超える面白さがないのが残念なところ。無論、単純にそれぞれの嘘に関わる物語自体も楽しいし、後半で、それぞれのキャラクターたちのエピソードが交錯していく様も、映画の醍醐味としては十分な要素を提供してくれていると思います。ただ、それぞれが”ふーん、そうなんだ”の範囲に収まっていて、”ええっ、そうなの!?”という驚きを感じることができないのです。メインとなる対人恐怖症の妊婦の話とか、ロイヤル婦人のエピソードなども、観ていて心温まる部分もなくはないのですが、それにしても少々深みが足りないので、お涙頂戴っていうところまでは行きついていない。面白い、、けどそれ以上はないというのが全体を通した印象でしょうか。

予告編だと、いくつかのエピソードが同時進行していることは分かると思いますが、想像してたより描き方が偏ってしまっているのも気になったところ。誘拐される少女の話の背景も書き込み不足だし、ゲイの告白をする男性カップルの話などは、背景に埋もれてしまうほど小さくなってしまっている。この辺りのバランス感覚も、例えば、三谷幸喜監督作(「THE 有頂天ホテル」など)に比べると、だいぶ物足りないかなと思います。楽しい作品ではあるんですけどね。

次回レビュー予定は、「ジヌよさらば~かむろば村へ~」です。

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