12月 23

コードネームUNCLE

「コードネーム U.N.C.L.E.」を観ました。

評価:★★★☆

今年はスパイ映画モノが多いということを、先日の「キングスマン」の感想文で書きましたが、本作もその一本。冷戦下の1960年代に「0011ナポレオン・ソロ」の名前で人気を博したTVシリーズを新しい視点で現代風に映画化した作品。現代風というのはあくまで現代”風”であって、舞台は文字通り冷戦最中の設定。監督は、「ロック、ストック&トゥー・スモーキングバレルズ」で台頭し、アクション劇にした痛快作「シャーロック・ホームズ」でも知られるガイ・リッチー。彼の持ち味でもあるスピーディングさが、各所のアクションにも小気味良く効いている作品でもあります。

本作の魅力であるのが、TVシリーズでも人気を博していた要因でもあるCIAとKGBの敵対しているスパイがコンビを組んで難事件に当たるという設定。いくらフィクションとはいえ、これを冷戦まっただ中で設定してしまうということなのでタブーもタブーなところ(そもそも今ほど情報網も、放送網も発達していない時代なので、一国内でやってしまってもそれほど問題にならないといえば、そうなんですが。。)。ただ、これは後の「007 スペクター」の感想文でも触れようかと思っていましたが、想定はできないけども、当時の状況下ではありえそうな設定だからこそ、作品の面白さとして生えたものになっていたように思います。その過去の人気シリーズを現代風にした本作においても、冒頭のとんでもない設定を持ち出すところから気分もノリノリで、世界各国をまたにかけながら、ソロとイリアのコンビが繰り広げるドタバタ珍スパイ劇を楽しんでいくことができます。

しかし、物語が後半になるにつれ、物語として面白かったドタバタ劇から、急に2人が互いをよきコンビとして、ピンチを乗り越えていくところから不思議と面白さは減速し始めるのです。それは多分、2人の友情を描くおセンチな場面が、前半の早いテンポで回っていく部分とバランスが取れていないのです。「シャーロック・ホームズ」シリーズではホームズとワトソンの友情をセリフでは強調するものの、決しておセンチな場面にせずにリズム感よく進めていたのとは対照的になってしまっているように思えます。それにコマ割りで省略してしまうアクションシーンもどうかなー。スピーディーではあるけど、アクション映画としては禁じ手かも(笑)

次回レビュー予定は、「黄金のアデーレ 名画の帰還」です。

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