12月 29

スター・ウォーズ フォースの覚醒

「スター・ウォーズ フォースの覚醒」を観ました。

評価:★★★★

IMAX3Dの字幕版にて。

このブログでは取り上げていませんでしたが、実は11月中盤から1ヶ月あまり入院してました。入院していた理由は大したことないのですが、一映画ファンとして、「スター・ウォーズ」の公開までには退院したいなと思っていました。退院後であまり動けない体調ではあるのですが、この公開だけは這いつくばってでも行きました。それくらい、僕にとっての「スター・ウォーズ」は意味ある作品なのです。僕が生まれた年に「スター・ウォーズ エピソード4(以下、EP4) 新たなる希望」が公開になり(と正確には1978年で同じ年代、、、と、これはあんまり関係ないのですが笑)、ちょうど貧しい我が家にもVHSビデオデッキが設置されたのが小学校1年生くらい。幼稚園の頃からウルトラマンと大河ドラマ(歴史劇)が好きだった僕にとって、初めてレンタルビデオでハマった洋画が、「スター・ウォーズ」でした。最初は日本語吹替え版から始まり、次に字幕版へ。EP4〜EP6まで、親が呆れ返るほど毎回同じビデオを借りてた覚えがあります。そして、映画ファンになったのも、ジョージ・ルーカスがEP1公開前に、1997年頃からたて続きに公開したデジタルフッテージを追加した”特別版”の公開。ファンの間では不評も多い”特別版”でしたが、当時新宿ミラノ座の大スクリーンで観た迫力は、映画こそ映画館で観なければ始まらないという興奮を覚えたもの。そして、1999年にEP1が公開になり、金沢の映画館にて、新しい歴史(作品的には、EP4よりも前になっちゃいますが笑)を目に焼き付けました。何しろ、その場面場面で観て感じただけではなく、観たときの記憶とともに、人生とともにある1つの作品といっても過言ではありません。

そんな期待を持っての今回の鑑賞。公開初日にはさすがに行けませんでしたが、是非ともIMAXで見たいという思いで劇場に足を運びました。映画ファンならぬとも、スター・ウォーズファンには嬉しい出来の作品に仕上がっていると思います。観てまず感じるのは、EP4〜EP6までのアナログ感は失わないまま、シリーズの地続きとして相応しい演出をしていることでしょう。ファンの中には、先ほども触れたデジタルフッテージを加えた”特別版”や、VFX好きのルーカスが凝りに凝って当時デジタル技術をふんだんに加えたEP1〜EP3のつくり方にガッカリした方も正直いたことでしょう。最初のEP4が公開になったのが1978年で、EP1が1999年、21年も立てば、VFXのやり方も進化して当然なのですが、前の時代を描くEP1〜EP3がどうしても進んだ未来技術の世界に見えてしまっていたからです。でも、時代はそこから更に進化しているのです。昔のアナログ感を失わないような味付けで、VFXを構成できるようになっているのです。これもEP1公開から、15年で技術が数段高いレベルに来ていることの現れなのです。

それに監督が「スター・トレック」の新シリーズをも手がけたJ.J.エイブラハムが手がけていることも成功の要因でしょう。数ある伝説(レジェント)を壊さないで、新しいSFの方向性を示した「スター・トレック」は本当に僕も脱帽したのですが、彼の腕は本作でも巧みに生きています。それにハン・ソロ、レイア姫、そしてルーク・スカイウォーカーというキャラクターが、EP4〜EP6と同じキャストのまま出ているのが凄い。もう最初の公開から36年ですよ。C-3POやR2-D2まで、同じキャストのまま出続けることができていることこそ、このシリーズが神格化されるのも頷けるような気がします。ストーリーとしては、今まで帝国軍の一兵卒としてお馴染みだったストーム・トルーパーに焦点があたり、帝国軍の中でも、旧作でのダースベイダーだけではない、いろいろなキャラクターが登場してくるようで、これからが楽しみのひと言です。

、、といいながら、満点評価していないのは、どうしても「スター・トレック」を観たときのような、ズバ抜けた何かというのがないからでしょうか。。これも「スター・ウォーズ」の生みの親でもある、ジョージ・ルーカスの大きなパワーみたいのに、エイブラハム監督自体が持ち前の自由な発想力が突き抜けて行かなかったことによるかと思います。ハン・ソロがああいう形で離脱していくのを驚かれた方もいるかもしれないですが、これもコアなファンなら、そもそもソロ自体が早々にいなくなる予定のキャラクターだったのを折り込み済みなので、70代のハリソン・フォードを卒業させるためにも理解できるところでしたしね。今回はルーカス・フィルムのロゴがありましたが、本作から製作がディズニーに映っていることもあり、今までは途切れ途切れだった映画にしろ、TVシリーズにしろ、ディズニーとしてのキャラクター展開にしろ、今後は爆発的に増えていきます(ちょうど、今のマーヴェル・コミックシリーズのように)。今後はルーカスから、エイブラハムに製作総指揮も移り、新しい伝説をもデザインしていくことになるそうですから、今後シリーズに素直に期待を持てる作品でした。

ファルコン号の勇姿や、それぞれのキャラクターを是非スクリーンで目に焼き付けてください。個人的には、エイブラハムが抜けた新生「スター・トレック」シリーズのほうが気がかりですけど。。(笑)

次回レビュー予定は、「杉原千畝」です。

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