サーバントは直訳すると、”奉仕者”である。奉仕と聞くと、地域を代表して外掃除しているような人をどうしても思い浮かべてしまう。小学校の頃に、奉仕作業といった行事があって、いつも通っている通学路を定期的に掃除する機会があった名残だろう。
そんな話はさておき、昨今の新しいリーダー像として、サーバント・リーダーという形が、今、非常にもてはやされている。本著は、仕事にトラブルを抱え、修道院に癒しと新しいビジネス像を求めてセミナーを受けに来た、一人の男の学びを通して、この新しいリーダー像を紐解いていく。一緒に擬似セミナーを受けるような形で進んでいき、こちらも話を読みながらもいろいろと考えさせられてしまうのだ。
それでは本著の中にも出てくる、サーバント(奉仕:Servant)という考えがどこからくるのか、、、それは図で書くと直感的に分かりやすいので描いてみた。

それぞれ三角で示されているのが会社組織だとする(ミドルクラスは専務でも、常務でもなんでもよかったが、ここでは部長にしている)。旧来の社長やCEOなど、トップから現場サイドに働く一般社員まで、裾が広い左側のような組織体系だとしよう。最終的に顧客に接しているのは、現場の一人一人の社員。彼らの上にマネジメントクラスがどんと居座り、売上が上がらないから、経費をカットしたいから、現場サイドを無視して、権力を振りかざしたとしよう。それは社員の向こう側にいて、本当は大切なはずのお客様まで悪影響を与えてしまう。そんなことはこの図からも一目瞭然だ。お客様から感謝され、多くの商品やサービスを買ってもらうには、お客様に接するはずの現場社員が活き活きとしていないといけない。そうなら、自然と会社組織は右側になるはずなのだ。これが新しいServant型の組織体系なのだ。
では、こうしたServant型の組織体系では現場が勝手にやって、マネジメントクラスはただ彼らの欲求を満足させればいいのだろうか? いやそうではないと本著は語る。
欲求じゃなくニーズに応える、奴隷じゃなくて奉仕者になるんだ。(P.131)
現場の構成員がこう働きたいというニーズに応えるということ、それが奉仕だと述べている。そのためにリーダーが必要なことは権力ではなく、権威が必要なのだ。
◯権力:たとえ相手がそうしたがらなくても、地位や力によって、自分の意志どおりのことを強制的にやらせる能力。
◎権威:個人の影響力によって、自分の意志通りのことを誰かに進んでやらせる技能。 (P.36)
そして、意志通りに動くということは、リーダーの意図を汲み取り、それを行動に移せること、すなわち
意図−行動=無 、 意図+行動=意志 (P.100)
なのだと。
思えば、働くという行為は、たとえ小さな範囲であっても社会を支え、社会を変えていくということ。だったら、自分自身も気持ちよく働きたいし、一緒に働いてもらう人にも気持ちよく仕事をしてもらいたい。それはすごくシンプルだけど、すごく大事なことなのではないだろうか?
最後に、本著にさっと書いてある素敵な言葉を。
あなたが生まれたとき、あなたは泣き、世界が喜んだ。あなたが死ぬときは、世界が泣き、あなたは喜ぶような生き方をしなさい。 (P.196)
