4月 25

舟を編む

「舟を編む」を観ました。

評価:★★★☆
<★は星1つ、☆は星半分、★★★★★は最高で、★は最低>

今はご存じのようなネット社会。スマフォンでも、家のPCでも、インターネットを覘けば、そこには無数の情報が溢れている。こんな情報化社会は確かに世の中を便利にしているかもしれないけど、そこにある1つ1つの言葉が本当に軽くなっていないだろうか?と、最近はよく感じる。学校のネットいじめにも象徴されるように、人をあげつらったり、中傷したりという言葉はネットを通じて簡単に広がってしまう。でも、そこに書き込むときに、人は言葉をもつ力を知らずに軽く書いているように感じてならないのだ。仕事でも、こんな日本語をよく使うなというドキュメントをもらうことがあるが、情報化社会だからこそ、私たちが普段使う言葉がとても重要になるのでは?と思うのだ。

本作は三浦しをんの同名小説を映画化したもの。原作は未読だけど「まほろ駅前多田便利軒」など、ちょっと変わった人たちのアットホームな物語を作る人だけに、辞書を作るというちょっと変わった仕事を携わる人たちの物語を誠実に、かつ面白く描いているのが興味深い。本映画化にあたっても、「川の底からこんにちは」の異色監督・石井裕也監督をはじめ、絶妙なスタッフ陣なだけに作品の空気感も凄くよいものに仕上がっているのだ。

淡々と進む文化系作品なだけに、作品の盛り上がりという面ではイマイチ欠けるが、真面目で、かつ面白い邦画を探している人には一見の価値がある作品だと思う。

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