5月 26

先月のクーリエ・ジャポンに面白い記事が載っていたので紹介します。

サイバネティックスとは80年代のSFムーブメントと、認知科学の発達によってできた、人間のロボット化という考え。思えば、障害者が義足を付けたり、義眼をつけたりは昔からやられていたが、ロボット技術の革新によって、障害者用の義具という考えから人間のロボット化を言及しているが面白い。

その中で、このニール・ハービソンという人の活動が面白い。彼は生まれながら色を感じることができない障害(周りが白黒に感じる)を負っている。ところが色が発する周波数を音にして感じる”アイボーグ”という機械をつけることで、彼の白黒だった世界自身がシンフォニーを奏でるようになったのだ。

彼自身、こうしたサイボーグ化活動(サイバネテックスの活動)にも熱心だが、アーティストとしても活動しており、彼のWebサイトを見るといろいろな作品を楽しめる。各都市の色を2つの音色に表現し、それを再び色に戻すなど興味深い作品ばかり。日本での展覧予定はないが、是非読んでもらいたい。

障害者は障害を負うことで生きにくいと健常者からは見えるかもしれないが、逆に障害者しか感じれない世界もあるのだ。それは健常者には感じれないアートな世界。サイバネテックスはこうした世界を健常者も追体験できる道具なのかもしれない。

preload preload preload