4月 21

3月の定期は満席だったので、2カ月ぶりの京響コンサートです。今月はGWに京都会館で行われる第9コンサートも聞きに行くので月2のクラシックとなります。

今日のプログラムはオールロシアの作曲家となるロシアデー。一発目はあまり聞くことのないストラヴィンスキーの前奏交響曲「花火」。4分にも満たない曲で、花火という題名から連想させるような荒々しさもなくあっという間に終わる感じです。これがチャイコフスキーならド派手にするんでしょうが、ストラヴィンスキーは他の曲調に似つかわしくなく、多彩な音をシュルシュルと鳴らす感じでした。

二曲目はこれも日本ではあまり聞かないカヴァレフスキーの交響曲第4番。本日指揮の秋山さんのプレトークによると、アメリカの交響楽団ではよくやられるメジャーな曲だとか。聞いてみると、その理由はよく分かります。四楽章の中で音の色彩がコロコロ変わりすごく派手なのです。見せることに注力するアメリカの楽団がやりそうな感じです。如何にもロシアっぽい重厚&戦闘サウンドな第一楽章。ときめきの第二楽章。マズルカっぽい第三楽章に、きわめつけは遊園地の行進曲のような第四楽章。前回聞いたときは色彩を欠いていた金管中低音がいい感じで鳴っているし、フーガ調になる四楽章の中盤の弦さばきは見事の一言。1stオーボエは色があっていい。逆に、クラリネット、フルートがもの足りないかな汗。これはこの曲で、いろんな楽団のサウンドを聞いてみたいと思わせる作品でした。

そして休憩後のメインプログラムはムソルグスキーの組曲「展覧会の絵」。というてもピアノ曲がオリジナルなので、編曲したラヴェルの味が強いフランスの作品と言っても間違えはないんですけどね。当時は珍しかったサキソフォーンやユーフォニアムを使う辺りは現代曲作家であるラヴェルのセンスが伺えます。吹奏楽版は何回も聞いたことのある曲ですが、フルオーケストラで聞いたのは初めてかも。序盤のテーマモチーフは流す感じでちと早いかとも思いましたが、中盤から終盤の安定した響きはなかなか。もともと京響は高音の弦がとっても上手いので、ラヴェルの面白な高音装飾も無難にこなします。木管高音も音が際立っていていい。ホルンは一部とメンバーが変わって、響きにくぐもり感がでましたが、ファゴットがよく響いてカバーw。ソロ以外は暇になっちゃうサックスは上手い。ユーフォニアムのソロはおいおい大丈夫かよって思ったけど。

秋山さんのタクトはダイナミックで、ここという聞かせどころを巧みに聞かせてくれます。客の入りは8割くらいでしたが、ロシアンプログラムは満足感をもって劇場を後にできました。

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