3月 24

愛、アムール

「愛、アムール」を観ました。

評価:★★★
(★は星1つ、☆は星半分、★★★★★が最高で、★が最低)

日本をはじめ、先進国では高齢化社会になっている。子どもと離れ、夫婦、もしくは独居で暮らしているお年寄りの数は今後もどんどん増えていくだろう。この映画に登場するジョルジュとアンヌの夫婦も、子どもも育ち、二人で仲睦まじく余生を生きている。そんな中で起こったアンヌの病が、穏やかだった2人の生活を徐々に崩壊させていく。。

映画の冒頭にいきなり結論が描写されるのが、如何にもハネケらしいと思わせる作品。ハネケを最初に観たのは「ファニー・ゲーム」だったけど、どの作品も一貫して、家族、隣人、村社会、友人などなど、、人と人が接点を持ったときに発生する狂気を描いている。ところが本作はずっと寄り添ってきた夫婦。一見、狂気など起こりそうにないが、いきなり冒頭にドキッとさせられるのだ。そして、作品は過去に移り、どうしてこんなことが起きてしまったかを徐々に見せていく。基本的には夫婦の愛の物語ではあるが、端々の行動には狂気をやはり感じざるを得ない。

人が不条理な行動を起こすのは、やはりそうなってしまった原因が小さくどこかに潜んでいる。この作品だったら、アンヌを襲った病だろう。病は単にその人の身体だけでなく、人がこうしたいという想いや周りの人の想いまでもどんどん削り取っていく。ラストはハネケにしては柔らかく描いているが、そこにはやはり人を追い詰めてしまう病や老いの恐ろしさが潜んでいるのだ。

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