「ハーブ&ドロシー ふたりからの贈り物」を観ました。
評価:★★☆
(★が星1つ、☆が星半分、★★★★★が最高で、★が最低)
これはハーブとドロシーという、ある老夫婦を追ったドキュメンタリー。夫ハーブは元郵便局職員、妻ドロシーは元図書館司書。つつましい生活を送る彼らの生活がなぜ映画になったかというと、彼らは若い時からコツコツと現代アート作品を買い続けてきたコレクターだったからなのだ。アート作品を買うというとセレブの趣味のような感じも受けるけど、彼らが買う作品の判断基準はたった2つ。「自分たちの給料で買える値段であること」、そして「狭い1LDKのアパートに入るサイズであること」。そうして小さく買い続けた作品は、いつしかアパートを侵食し、把握できないほどの数となっていた。
当初、彼らは集めてきた作品をアメリカ国立美術館ナショナル・ギャラリーに寄贈したのだが、そのコレクションの数も増えていき、ギャラリーも悲鳴を上げ始める。そこで次に動いたプロジェクトは、米50州のそれぞれの美術館に50作品ごと寄贈していく『ドロシー&ハーバート・ボーゲル・コレクション』。これも無作為に寄贈するのではなく、ちゃんとしたコレクションとして夫婦でも監修を手がける。作品中も触れているが、彼らにとって集めたコレクションは息子・娘と同じような存在。そして、その作品を生み出したアーティストたちも、同じく子どものような存在になっている。コレクターとアーティスト、そして各美術館のライブラリアン、キュレーターたち。アートが紡ぎだす人の関わりと、その中心にいるハーブ夫妻を見ていると、本当にアート作品を愛している人たちのつながりを至る所に感じることができます。
アートは僕も好きなのですが、素人目線なので細かくはよく分からない。でも、アートに触れると、何か心をワクワク・ゾクゾクさせてくれる感覚に捉われる。これこそアートの魅力だと思います。本作はちょっとドキュメンタリー作品としては単調ですが、アート(現代アート)作品も次々にスクリーンに表れるので、それを見れるだけでも価値がある。こういう風に映画を通してアートに触れることができたのも、ハーブ&ドロシー夫妻の功績なのかもしれません。