4月 27

天使の分け前

「天使の分け前」を観ました。

評価:★★★★★
(★は星1つ、☆は星半分、★★★★★が最高で、★が最低)

この映画のタイトル”天使の分け前”とは、ウイスキーを酒樽で熟成したときに、熟成中に減る量のことを指す。この減ることで熟成が進み、ウイスキーの円熟味が増すのだけど、天使にあげることで旨みが増すことに例えるところが、如何にもオシャレ。この映画はトラブルばかりを起こす主人公ロビーが、ウイスキーとの出会いから人生を変えていく物語になっており、ウイスキーの”天使の分け前”が物語でも重要なキーになっている。

正直、予告編で受けた印象と、本編はだいぶ感じが違う。それも嫌な印象違いではなく、いい意味で裏切られた感じだ。「マイ・ネーム・イズ・ジョー」や「SWEET SIXTEEN」などの作品で、イギリスの下層階級に生きる人たちを描き続けてきたケン・ローチが、今までの下流で歯を食いしばって生きていく人たちの暗いドラマの経験値を活かし、逆に明るいヒューマンコメディに仕立てているのが凄くよいのだ。どんな階級で生きていようが、泥臭く、自分らしく生きていくことが明るい未来を作っていく。

観終わった後に、明日も頑張ろうと思える素直ないい作品。ここ最近の中では一番のオススメ作だ。

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