6月 11

くちづけ

「くちづけ」を観ました。

評価:★★★
(★が星1つ、☆が星半分、★★★★★が最高で、★が最低)

昨年に惜しまれながら解散した劇団、東京セレソンデラックスの演目を映画化した作品。映画化した本作も、主演・脚本を劇団主宰である宅間孝行が演じている。知的障害者たちが集まるグループホームが舞台となっており、基本はホームの中だけで物語が展開する。この辺りはもとが舞台劇であることを考えれば納得はできるが、せっかく映画なのだから空間的な拡がりが欲しいところだったかも。それでも舞台俳優としても一流どころが映画版でも出ているので、作品としてはかなり力感があるものになっている。

物語はそうしたグループホームに新しくやってきた竹中直人、貫地谷しほり演じる親子を中心に展開する。素っ頓狂な住人たちにどぎまぎしながら生活を始めていくが、やがて物語は結構シリアスな問題と対峙していく。

序盤から笑いが多く、最後はお涙頂戴となる作品なのだが、基本的にこの後半のシリアスな問題提示が映画としてはどうなのかと最後まで考えてしまった。確かに映画にこうした問題提起をすることは悪くはないとは思うのだが、見ていて最後がすっきりとしない要因にもなっているようにも感じる。メッセージ性は強く出ているので、ここをうまく作品として昇華できるようにすれば、何倍もよい作品になったように思う。

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