6月 13

セレステ・ジェシー

「セレステ・ジェシー」を観ました。

評価:★★★
(★が星1つ、☆が星半分、★★★★★が最高で、★が最低)

何もかも分かっている関係でも、お互いに許せない一線がある。表面上は仲の良さそうな人でも、実はここの部分が許せないから付き合えないという関係の人も結構いるだろう。好きだからという関係だけで、結婚生活を長続きすることって、案外できないものなのである(逆に、そんなに好きという想いは強くないけど、関係は楽だから結婚生活が長く続くというのもあるだろう)。この映画はそうしたカップルの別れるまでを描いている。

この映画の主人公、セレステとジェシーも結婚生活をある理由で終わらせようとしている。お互いを隅から隅まで知っていて、一緒にいても心地よい。別居しているはずなのに、ジェシーが住んでいるのはセレステの自宅の離れ。周りからみたら理想のカップルなのに、セレステはジェシーの収入が不安定な生活スタイルがどうしても許せない。だったら、最高の親友でいようと別れを決意するが、想いを断ち切ることがなかなかできない。そんな中、ジェシーのほうに新たな変化が訪れる。

好きという感情は不思議なもので、相手の許せない部分が見えると途端に嫌いという感情に裏返る。”嫌い嫌いも好きのうち”とはよく言うが、そういう格言がアメリカにはないのか、セレステは結婚生活を終わらせようとする。でも、お互いがやはり好きという感情から逃れることができないのだ。その感情から抜け出るまでの激しい苦しみ。作風はやさしいが、描かれていることは案外残酷な中身なのかもしれない。

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