7月 09

アンコール

「アンコール!!」を観ました。

評価:★★★★★
(★が星1つ、☆が星半分、★★★★★が最高で、★が最低)

人生は最近は80年、長くて100年。仕事も60代現役・70歳定年が徐々に当たり前になりつつある。そう、私たちの周りはもう既に高齢化社会に突入しているのだ。例えば、人生80年といわれると30代の僕には若いように感じるけど、こんなに毎日が早くなっている今の時代はもうあっという間に中年から高齢に差し掛かってしまうのではないかと思う。そんな長く短い人生をどう過ごすのか? そんな永遠の問いを、この映画は優しく語りかけてくれているのだ。

この映画の主人公・アーサーはいわゆるへそ曲がりの頑固者。そんな彼の唯一の宝物が、長年寄りそってきた妻のマリオン。アーサーとは対称的で社交的なマリオンは地域のコースラグループに入り、多くの仲間たちとともにコンクールの出場を目指していた。しかし、そんなマリオンを病魔がひしひしと迫っていた。ただ、妻に生きて欲しいと願っていたアーサーだったが、ある出来事をきっかけに妻と同じように歌い始めようとするのだが。。

主人公アーサーを演じるテレンス・スタンプ、妻マリオンを演じるヴァネッサ・レッドグレイブの両人ともが素晴らしい演技。特に、テレンスは今まではどこかハードボイルドな役柄が多かったように思いますが、そのイメージが本作では頑固者アーサーというキャラクターによくハマっていると思います。そんな彼が長い間破れなかった自分の殻を徐々に解きほぐしていくマリオンや周りの仲間たち。ぶつくさ文句をいいつつも、本当の自分を発見していく様は笑い、そして泣ける要素が満載。中盤の野外コンサートでのマリオンの歌に、ラストのコンクールでアーサーが歌で返す。何気ない言葉の集まりでも、歌にするとこんなに威力があるのかという音楽のもつ不思議な力を改めて感じることができます。

練習風景からコンサート、コンクール、そしてエンドクレジットまで歌の構成が物語と合うように緻密に設計されています。主役二人に対して、周辺のキャラクターの物語が少し弱いかもしれないですが、残りの部分でそれを補って余りある作品だと思います。この夏のオススメ作です!!

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