11月 27

42 世界を変えた男

「42 世界を変えた男」を観ました。

評価:★★★☆

アメリカ・大リーグでは、全チーム永久欠番にしている番号がある。それが背番号「42」、1947年にメジャーリーグで初めて黒人大リーガーとなった男ジャッキー・ロビンソンが背負った背番号である。本作は、そのジャッキー・ロビンソンがブルックリン・ドジャーズとマイナー契約を交わしたところから、メジャーにのし上がって活躍するまでの軌跡を描いている。

ご存じの通り、アメリカでの黒人解放運動は1964年の公民権法成立までが一応の山で、1940年頃から解放運動が勃興してくることになる。それでもピークになるのが1950年代後半なので、ジャッキーが出てきた1947年というのはまだまだ人種差別が日常の風景となっていた。野球にしても黒人のみの独立リーグはあるものの、アメリカ国民の神聖視するメジャーに黒人が入ってくるなんて考えられないこと。ファンからのヤジはもちろん、同じチームのチームメイトからも不条理な行為を受ける酷さ。しかし、ここでは反旗をみせることなく、内面で、プレーで闘志を見せたことが、彼の偉大さでもあるのです。

映画は彼がメジャーで一定の地位を獲得するまでを描いているのだが、伝記映画としてあまりに真っ当過ぎる作りで、作品としての面白さが欠けます。でも、なぜ4月15日にジャッキー・ロビンソンDAYとして、皆が同じユニフォームを着ているのかという理由が描かれていて、少しウルっとなります。これが映画としての山で、ここにもっていくまでがちょっと工夫が欲しかった感じがします(いい映画ではあるんですけどね)。それ以上に気になったのが、ハリソン・フォードの老練な演技力。本作で、アカデミー賞助演男優賞ノミネートくらいはされるでしょうと思うくらいの名演です。

preload preload preload