「ウォーキング with ダイナソー」を観ました。
評価:★★★
3Dの吹替版にて
イギリスBBC FILMSは近年「アース」や「ライフ いのちをつなぐ物語」などの自然ドキュメンタリー映画を出しており、その映像のクオリティの高さも折り紙つき。そんなBBCが今回挑んだのは、ドキュメンタリーとしては映像化ができない古代の生物たち。そのために膨大な資料を元に3DCG映像をつくり出して、ドキュメンタリタッチなアクション・アドベンチャーに仕上げたのが本作。確かに3D映像のクオリティは昨今の3DCG映画の中でもピカイチ。CGアニメはどうしてもアニメ映画の延長みたいな作品が多いのに対し、リアルの延長線にこだわった作品は久しぶりかなとも思います。
恐竜という側面で見ると、今は「ジュラシック・パーク」シリーズの新しい作品が撮影中ですが、「ジュラシック・パーク」の一作目が公開になった1993年から比べても、研究分野では今までの見方から大きく変わっていることが分かります。まず、従来は恐竜が爬虫類や両生類の起源という見方が一般的だったのですが、最近では鳥類や私たちのような哺乳類の祖先ではないかとも言われるようになってきているのです。特に鳥類の示唆が強くて、本作でもトカゲというよりは、鳥を意識した恐竜たちの動きというのが随所に見られます。それに恐竜の色彩も段々とカラフルになってきたり、一部には哺乳類のような産毛が生えてたりと、最新の恐竜研究を反映した絵作りが見られるのが、純サイエンス・フィクションを撮りあげるBBCの上手さです。
ただ、これだけの映像の美しさを見せながら、映画として普通にお話を作ろうとしているのが失敗かなと思います。とってつけたようなお話がとにかく子ども向きで薄い。おまけにブリッジとなる物語として、これまた安い現代劇をくっつけるのが更にいただけない。この演出でせっかくの映像や科学的な裏付けも、安い3D映画ラインナップの中に埋もれる作品にしてしまったかと思います。