12月 30

ゼロ・グラビティ

「ゼロ・グラビティ」を観ました。

評価:★★★★★

IMAXの3D字幕版にて。

早い段階からアカデミー賞確実と言われている話題作。映画自体は上映時間も90分ちょっとしかないコンパクトなものだけど、その中にそう来たかと思わせる要素が随所に詰まっている。僕はその中でもラスト20分に怒涛のごとく襲い掛かる最後の危機を、主人公ライアンが”生きて地球に戻りたい”という必死で取る行動に手に汗握った。よく宇宙飛行士の訓練は過酷だとも言われるけど、多分飛行士として一番重要な能力が一瞬一瞬の判断を的確にするということ。そうでないと、そもそも生きるのに適さない宇宙空間で生き残る<サバイブ>することはできないのだ。いざ、このような過酷な状況に追い込まれた時に、果たしてこういう行動で生き残れるものなのかは分からないけど、ここを見るだけでもこの映画は十二分に満足できる。

あと宇宙空間という、宇宙服やステーションの外側は無音の何もない空間であるという孤独感がよく描かれています。無論、仲間の宇宙飛行士はいるものの、自分の息遣いまで聞こえてきそうな静寂さに息が詰まりそうな感じがよく出ています。「スター・ウォーズ」などのSFエンターテイメントを除くと、「2001年宇宙の旅」や「ソラリス」にも描かれるようなモノストイックな宇宙空間を、映像・サウンド両面からうまく迫っているように思います。圧倒的な宇宙空間の闇と、太陽に照らされた地球の青、シャトルやステーションの白・ゴールドのような配色が舞台としてうまくコントラストされていて、これを大画面で見るだけでも圧倒されると思います。

そういう意味では宇宙と3Dとの相性も抜群。本作は一応劇映画なので、そこまでリアルな立体感は残念ながら感じられなかった(3Dカメラは使われていないことも関係しているかも)けど、IMAX3Dカメラで撮影された「IMAX スペース・ステーション3D」を併せて見てみると、そのことが実感できます。

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