12月 31

武士の献立

「武士の献立」を観ました。

評価:★★★★

お正月映画には毎年時代劇が必ず一本はあるけど、「47RONIN」を時代劇と思えない僕のような人は断じてこれをオススメします。数年前に、森田芳光監督で藩の勘定方を扱う下級武士を描いた「武士の家計簿」という良作がありましたが、今度は料理方の内幕を描いた、その名も「武士の献立」。僕的には学生時代を金沢で過ごしたこともあって、加賀藩・まさに金沢が舞台ということも(時代はだいぶ前ですけど)、この映画が好きになるポイントでした。

藩というのは思えば、今でいう自治体とか、企業とかのような集団組織。例えば、自動車メーカーだったら誰しも車を作りたい、売りたいと思ってい入社してくるんだろうけど、裏方の事務に回ったり、設備管理や広報などの目立たない仕事をする人も多い。江戸時代でもそれは同じで、武士の家に生まれたら、小さい頃から剣の腕を磨き、いずれは藩を動かすような重要な役割を担いたいと思うのは然りなところだろう。自分の意に反する役目を言いつけられたとしても、腐らずにその道を極められる人というのが、どんな世界でもいずれ高名になる人なんだろうと見ていて感じてしまった。

無論、映画はやりたくない御役目だったというだけではなく、跡目問題や幼き頃からの想いなども絶妙に絡み、思うがままにならなくても純粋に生きることで人生を開いていくという、藤沢周平の時代劇のような味わいも出しているのが凄い。ただ、いいお話なのに演出が少し野暮ったいのが気になったかな。エンディングもなんでこの曲やねんというセレクトやし。。

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