「劇場版 TIGER&BUNNY The Rising」を観ました。
評価:★★★★
超能力である新能力NEXTを与えられた人間が、ヒーローとして活躍する同名テレビアニメの映画化作品。テレビシリーズの「TIGER&BUNNY」は全25話だったけど、劇場版となった前作「劇場版 TIGER&BUNNY The Beginning」はその中の第1話、2話をスペシャルエピソードという映画ならではのシーンを追加して膨らませたものだった。だからなのかもしれないけど、話としてはすごく単純なヒーローの世代交代というところに終始していた感があるけど、本作「劇場版 TIGER&BUNNY The Rising」はそこから話が一気に飛んで、テレビシリーズ25話を終えた、その後を描いている。だから、映画版しか観ていない人(僕もそうだけど)には、前作に比べて急激に主人公たちの立場が変わっていることや、当たり前のように出てくる複数の新キャラクターにビックリするかもしれません(本編の前に、テレビシリーズを観てない人のための5分説明短編あり)。でも、話の枠組みに制限があった前作(1話、2話ベース)と比べ、物語は大きく膨らんで見どころ多い作品になっていると思います。
テレビシリーズを全く観てない僕でも、本作(前作も含め)が面白いなーと感じるのは、ヒーローたちのウェアに様々な企業ロゴがスポンサーにもついて、同時中継されるヒーローTVの視聴率、ヒーローの獲得ポイントによって、1部2部のステージ昇格・降格システムになっているなど、どこかヨーロッパのサッカーやF1などのプロスポーツの収益システムに酷似している構成を採用しているところ。無論、視聴率優先だと、極悪キャラを意図もなく投入して、正義と悪を仮想的に登場させるなど「ロボコップ」的な世界観になるのだろうけど、映画はそこまで深く突っ込まなく、そういうヒーローシステムの中でヒーローとして自問する主人公たちを描いている。
そういう世界観なので、ヒーローの物語を見ているというよりは、プロスポーツ選手の葛藤を見ているように感じられなくもないです。歳を重ね、体力的には2部しか活躍できなくなったワイルドタイガー。1部はもう諦めるのか、それとも「オールドルーキー」さながら、1部で活躍できる場所を探し求めるのか、、、そこであるのは、衰えながらも夢を諦めきれない自分との対話と、夢への挑戦という普遍的な物語。どこか心打つ物語になっている理由は、そういう部分に光があたっているからだと思います。