8月 24

ジゴロ・イン・ニューヨーク

「ジゴロ・イン・ニューヨーク」を観ました。

評価:★★☆

「オー!ブラザー」などのコーエン兄弟作品や、最近では「トランスフォーマー」シリーズなどで名脇役・名ヴァイブレータのジョン・タトゥーロによる初監督&主演作品。タイトル通り、ニューヨークで花屋を手伝いながら、自慢のイチモツで女性たちを楽しませるジゴロを、タトゥーロが主役として演じている。ジョン・タトゥーロといえば、特にコーエン兄弟作品の中で魅せていたように、何をするか分からない、頭がキレたぶっ飛んだキャラクターを巧みに演じることがうまい印象だったが、本作は監督という重責を担っているからかしらないが、主演でありながら、役回りがすごく地味。逆に、久々に自身の監督作ではない作品に登場するウディ・アレンのほうが、重責から解放されたようなキレキレな演技力を見せるのだ。アレンが好きな僕自身は嬉しいけど、本作はどちらかというと主演のタトゥーロがもっと目立たないといけないんじゃなかっただろうか。。

それにしても本作を見ていると、タトゥーロ自身がアレンに陶酔していることがよく分かる。魅惑のミューズを登場させ、1960~70年代のような(時代設定は現代だけど)ニューヨークの味わいを醸し出させ、宗教的なオカルトチックな世界を入れることで、物語の本筋のどこかリラックスしたような、ソフトな色もつける、、、これは一昔前のアレン映画でよく見られる構図。(もう一回いいますが、)アレン映画のファンな僕としては、こういう世界観は十分楽しい。ただ、アレン自身が撮っているわけでもないので、詰めの甘い場面も散見され(特に、ラストのカフェシーンは間延びしすぎ)、もうちょっと頑張ってほしいなというところもあります。その前に、これはタトゥーロの映画なので、彼の監督としての味わいがどこなのか、その特徴となるところが1つバシッと欲しかったように思います。

初監督作ということで、有名監督のスキームに従ったということは理解できなくはないです。ただ、物まねは決して本物以上にはならないので、(拙くても)次回はもっと監督の味わいを感じれる作品に仕上げてほしいと思います。

次回レビュー予定は、「グランド・ブタペスト・ホテル」です。

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