9月 12

サンシャイン

「サンシャイン 歌声が響く街」を観ました。

評価:★★☆

スコットランドのとある田舎町を舞台にしたミュージカル映画。最初は物々しい戦争シーンから始まるが、アフガニスタンから帰ってくる帰還兵デヴィーとアリーという二人の男性をキーにして、彼らの家族、友人を巻き込んだ恋愛模様や、それぞれの夢に向かう姿を描いている。全体的にいい作品だとは思うんだけど、エッセンスとなるべきミュージカルシーンがそれほど盛り上がっていないように、僕は感じてしまった。というのも、この作品自体があくまでスコットランド出身のバンド、プロクレイマーズのヒット歌曲を中心に組み立てられていることもあり、彼らの歌と故郷であるスコットランドの雰囲気を織り交ぜるというところに主眼があるように思えて仕方がなかったからだ。お話はあくまでそれに付随するものという一歩引いた描き方が、作品の盛り上がりに欠ける印象を残してしまったいるように思います。

元来、ミュージカルというのはお話だけみると、結構無骨なものが多い。さっきまで仲たがいをしていた二人が一曲歌うだけですごくラブラブになってしまったり、見知らぬ他人同士が一曲歌うだけで古くからの友人のように振る舞ってしまう。それだけ歌というものには魔力があり、お話のつじつまを合わせてしまう究極的なスパイスとなっている。これというのも歌には歌詞があり、単なる曲にその人の想いを伝わる言葉が加わっている。それによって、音楽に対して情動させるだけでなく、歌詞によって相手を感動につつませる効果を持っているのだ。これにはどんなストーリーテラーもかなうことはないだろう。

ただ、この作品はお話をうまく組み立てすぎていて、そこにミュージカルが乗っても、ただ歌が乗っているだけに見えてしまっている。極端に言えば、ミュージカルシーンが単なるミュージックビデオくらいにしか見えてこないのだ。それらのシーンが物語の根幹を変えるような転換点になっていないのもマイナス。素人を巻き込んだラストシーンは確かにすごいけど、最後まで歌がお話に深く絡んでこないので、観ていて非常に歯がゆい想いをしてしまう作品でした。

次回レビュー予定は、「超高速!参勤交代」です。

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