9月 16

クイーン・オブ・ベルサイユ

「クイーン・オブ・ベルサイユ 大富豪の華麗なる顛末」を観ました。

評価:★★★☆

アメリカ・フロリダ州にフランスのベルサイユ宮殿を模した、総工費100億円の豪邸を建てようとしていたセレブが、2008年のリーマン・ショックを機にした世界同時不況で一転奈落の底に落とされるまでを描いたドキュメンタリー。映画を観ていて不思議だったのは、豪邸を建てようとしていたセレブ一家のゴージャスな雰囲気と、リーマン・ショック後の悲惨な光景がセットになっていたので、フェイク・ドキュメンタリー(不況になることを知って撮られたとは思えないので)かなと思っていたら、当初は超巨大豪邸を建てるまでを描く企画だったのが、本作のような形に一転したのだとか。中身の話の顛末と同様に、作品の企画もトホホな形で面白く作られたのですね(笑

この作品を観ていて、お金というのは人生を豊かにもしてくれるし、逆に不幸にもするのだなーという兎角当たり前のことが、まざまざと描かれています。作品冒頭、リゾートホテルを中心とした不動産事業で莫大の富を稼ぐデヴィッド・シーゲルと、最愛の妻・ジャクリーンの成功話が華麗な形で描かれていきます。当初は、この筋のまま、妻ジャクリーンの夢だった大豪邸が建つ話で進む予定だったんですね。ところが、そこに突然ふってわいた世界同時不況。シーゲルは事業の中心であった多くの不動産を手放すことを余儀なくされますが、夢だったラスベガスのリゾートホテルと、妻のための豪邸を最後まで死守しようとします。でも、負債はどんどん膨らみ、銀行からの資金調達もままならない。自宅に多く雇い入れていた家政婦たちも整理を余儀なくされ、子だくさんのシーゲル一家の生活はどんどん荒んでいく。おまけに、浪費癖は相変わらずで、負のスパイラルのようにお金がどんどん底をついていく。。果たして、シーゲル一家の豪邸はどうなっていくのか、、というところが描かれていきます。

お金はあってなんぼくらいが調度いい。ないと心に余裕がなくなるし、あっても身の丈にあったくらいを使い、あとはないものと思ってコツコツ貯めておくに限ります。浪費癖が過ぎる人は、この作品を観て、お金の恐ろしい面を体験しておくといいかもしれません。

次回レビュー予定は、「ターニング・タイド 希望の海」です。

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