9月 16

ターニング・タイド

「ターニング・タイド 希望の海」を観ました。

評価:★★★★☆

単独無寄港のヨットレースに挑む男と、ひょんなことから、そのヨットに潜り込んだ少年との心の交流とヨットレースを描いた作品。観たのが、6月の終わり頃で劇場公開が終わっているであろう今いうのはなんですが、これは是非スクリーンで観て欲しい作品。ヨットレースの醍醐味というか、大海原に帆を立てて、豪快に進むヨットの描写が実にいい。同じヨット映画では、近作にロバート・レッドフォードの「オール・イズ・ロスト」もよかったですが、これを観ていて、つくづくヨットっていいなーと思います。というのも、小さい頃の父親の趣味で、映画のように大きなヨットではないのですが、カヌーとか、ヨットとか昔よく乗せられていたんですよね。沈したときはゲンナリするのですが、風を切って進んでいく気持ち良さというのは何とも表現できない気持ち良さ。よく行ってたのは琵琶湖などの湖だったんで、これが海だともっと気持ちいいんだろうな、、と、映画を観ていて思います。

描写がそれぞれにすごくいいんです。風を切っているところは風がスクリーンから吹いてきそうだし、夕焼けのシーンは赤い日差しがスクリーンから感じるし、嵐のシーンは雨粒が逆に吹き込んできそう。自然の情景と、それに人がヨットという形に挑む姿がすごく合っている。これもヨットレースが盛んな欧州ならではなのかもしれないですが、レースの面白さを各所でさりげなく演出しているのもGood。こうしたちゃんとした下地作りの上に、上記したような少年とヨットマンとの交流劇が加わってきているので、物語もすごく見通しのいいものになっている。1つ1つの積み重ねがちゃんと結実していることが分かる作品になっています。

ただ、望むならば、ラストシーンが変な盛り上がりになってしまうのが気になりました。話のオチをああいう形にしたのは構わないのですが、なぜ大団円になってしまうのが、どうしても意味不明に思えてなりません。そこさえクリアになっていれば、満点評価できる作品でした。オススメ。

次回レビュー予定は「攻殻機動隊ARISE border:3 Ghost Tears」、「攻殻機動隊ARISE border:4 Ghost Stands Alone」の攻殻機動隊2作品同時レビューです。

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