11月 19

100歳の華麗なる冒険

「100歳の華麗なる冒険」を観ました。

評価:★★★★

世界的なベストセラーとなった小説「窓から逃げた100歳老人」を映画化した作品。結構中身にブラックな笑いもあるので、ベストセラーとなった原作の下敷きにしているとは思えないのですが(原作未読なんで何とも言えないですが)、映画は映画で特別な演出がしてあるのかもしれません。それよりも嬉しいのは、福祉大国であるスウェーデンから、こういうお年寄り元気な映画が出てくるのが観ていて楽しいです。年をとって、身体も頭も思うように回らなくなる。生活も不自由することになるし、行動範囲も狭くなるので、身寄りも少なくなる。特に、急激な高齢化社会を迎えるこれからの日本ですが、年をとっても、こういう楽しい生活ができるということを考えると、人生は捨てたものじゃないと思えてきます。

この映画が、映画作品としていいなと思うところは、主人公アランの突拍子もない行動が、それを裏付けるような過去のエピソードを差し挟みながら描いているところでしょう。年を重ねているということの強みは、過去の経験を(本人が意識していなくても)活かして生きることができること。真っ正直に、真っ当に生きていれば、幸運というものは向こうからやってくる。そんな当たり前だけど、素敵なプレゼントみたいなものが、スクリーンの向こうからやってくるような作品でした。

本作を観ていて、なんか似ている映画が過去にあったなと思ったら、トム・ハンクスの「フォレスト・ガンプ」に構成がよく似ているんですよね。本人が意識しなくても、歴史の様々なことに入り込んでしまうという不思議。傍から見れば、こんなことないだろうと思えることでも、各人が努力すれば歴史の重要な場面に立ち会ってしまうことって、実際によくあることなんだと思います(まぁ、本作のようなことは、それでも稀の稀ですが。笑)。ブラックな要素もあるものの、全体的に可笑しく笑えるコメディになっているのもいい。こんな素敵なお爺さんに、僕もなりたいな。

次回レビュー予定は、「福福荘の福ちゃん」です。

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