「アルプス 天空の交響曲<シンフォニー>」を観ました。
評価:★★★
春を過ぎ、気温が高くなると同時に、空も段々と高くなって日差しは既に夏めいてきた今日この頃。そんなときにピッタリな映画が、本作「アルプス 天空の交響曲<シンフォニー>」だと思います(笑。本作はその名の通り、メインがアルプス、、、でありながら、本当のメインは映画全編の空撮映像となっているドキュメンタリーとなっています。僕の記憶が定かなら全編通して、空撮以外の映像は出てこなかったと思います。作品の後半に、実際に鳥に取りつけたカメラの映像もありますが、本当に鳥になったように大空を舞いながら、アルプスの全景と、そこに暮らす人々の生活をカメラで切り取っていく作品になっています。
人間に生まれて後悔したことの1つに、空を飛べなかったことがあると思います。無論、飛行機やヘリコプター、スポーツでもスカイダビングやパラグライダーなど、空を楽しむことは全然できると思うのですが、人が普通に歩くように、空を飛ぶことができたらというのは、僕の中でも密かな憧れの一つでもあります。毎日、くよくよと悩んでいる些細なことも、きっと大空の何十メートル、何百メートル上空から見たら、きっとその気持ちさえも些細なものに思えてくるように思います。飛行機の発明で人類は全世界をまたにかける移動力は手に入れましたが、大事なのはむしろ、空を飛べることになったことで感じられる、人間の小ささや自らを俯瞰にして見るというところに、あるべきなのかもしれません。空を眺めていても、逆に空や宇宙から、地球を眺めても、いつも同じこういう想いに駆られてくるのです。
作品自体は、ヨーロッパ中央にそびえ、7か国にまたがるアルプス山脈をいろいろな角度から捉えるとともに、そこで息づく人々の多様な姿をカメラに収めていきます。放牧や農業で生活の糧を得る人、トレッキングやロッククライミングを楽しむ人、週末やリゾート旅行で麓の観光地を訪れる人、、こうした人たちの中には、それぞれのドラマがあるのかもしれないですが、映画としてはそこまで触れずに、あくまでアルプス山脈という1つの大きな舞台の中で、日々起こっている日常を描いていくのみです。僕自身は、この映像スケールの大きさと、カメラに映し出されるいろいろな人々を見るだけでも楽しかったのですが、なかなか映像だけで物事の”コト”が提示されないことにヤキモキする方もいるかもしれません。よく言えば、映像は綺麗なのですが、悪く言えば、ただのイメージ映像(ナレーションはありますが)との差異が見いだせない人もいるかもしれません。
これを観ていると、ドローンとか、バルーンとかで、こうした空撮映像を撮ってみたいなという思いに駆られます。プライバシーの問題で、なかなかきつくなっていますけどね。
次回レビュー予定は、「フォーカス」です。