7月 02

イタリアは呼んでいる

「イタリアは呼んでいる」を観ました。

評価:★★★

大の中年男2人がイタリアを縦断旅行するロード・ムーヴィー。ロード・ムーヴィーというと荒くれた男たちが、旅と共に様々な出会いから親交を深めていくという話の印象が強い(というのも、ヴィム・ヴェンダースの「パリ、テキサス」の影響が強いだけですが笑)のだけど、この映画はどちらかというとヨーロッパ版「サイドウェイ」みたいなお話。仕事も、家庭も、それなりの成功を収めた2人の男が、人生の中休みのためにイタリアを旅行しているというお話。だから、映画としての作品の締りのようなものはないけれども、美しいイタリアの風景美とともに、人生を卓越したような2人の会話に不思議な癒しの効果もある作品になっています。

ただ本作は、とことんお洒落に作られているので、主人公になる2人の人間ぽさというのが、どうもお話から感じられないのが残念なところ。特に中盤、ロブは旅先である女性に恋心を抱くのだが、会話劇のほうが先に進行してしまって、どこまで彼の抱いた想いというのが深いのか、イマイチピンとこない。実は、ラスト辺りで、その恋心を激白してしまうところがあるんだけど、そこまで思い詰めていたの、、、と後でビックリするくらい、中盤の部分はあっさりと描かれているのです。人が誰に想いを寄せているなんて、第三者的な立場に立つと分からないっていえば分からないものなんですが、映画なんですから少しは盛り上げてもいいでしょう。この映画ではドキュメンタリーのように、終始あっさりした描き方に終始するので、この辺りは好き嫌いが分かれそうな気がします。

それにしても、イタリアの情景美は田舎町でさえ映えるくらいに美しい。映像の1つ1つが美しく、おまけにそこの空気感まで上手く伝えているので、ロブとスティーヴとともに旅をしている気分に本当に浸れます。冒頭では映画ファンにはニヤリとする映画の小話をしていたり、コメディアンでもある主人公2人の掛け合いも見事の一言。雑多な日常を離れ、映画館の中でイタリア旅行が楽しめると思えば、この映画以上の旅映画はないかと思います。

次回レビュー予定は、「脳内ポイズンベリー」です。

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