もう鏡開きですが、新年明けましておめでとうございます。
Blogでもチラッと書いたかもしれませんが、昨年12月に足の手術をしまして、仕事を休職して年越しという不安な立ち上がりです。未だにまだ仕事には復帰していませんが、ボチボチと今年もやっていこうと思っています。個人的な今年の目標というのももちろんあるのですが、それはここには書かず、おいおい明らかにできればと思います。
ということで、新年一発目はTEDで最近見た、有名なサイモン・シネックの講演「優れたリーダーは人をどう動かすか」から、イノベーションということをちょっと考えたいと思います。
講演を聞いてもらって分かるのは、Whyというところから始まると、人は共感をし、動いてくれるという内容。これが実は脳と同じような構造になっているという、脳科学に興味がある僕にとっては面白い話でしたが、ここでちょっと同じ話を視点を変えて考えてみました。
手書きの下手な絵でスイマセン。
これをイノベーションという捉え方で見ると、欧米とアジア(日本、、と書こうとしたけど、中国、韓国、台湾の技術力の伸びを考え、大きくアジアとしました)のモノの考え方と直結しているのかなと思います。
欧米人は哲学や宗教の発展を考えても、まずなぜ必要なのかというコンセプトの話から始まります。Apple、Facebook、Googleのどれをとっても(Googleは少し怪しいけど)、まずは理念やコンセプトから始まって、それを実現するようなデザイン、技術という話に拡がる。これはWhy(なぜ)から始まって、How(どうやって)という部分に長けるということ。でも、それをツールとしてどう実現する(What)ような部分は弱い。
弱に旧来から日本はどうやって難しいことを実現するか、、Howの部分から入りやすいんですよね。その難しい技術的な課題をクリアするような技術(What)の部分を重ねてきた。でも、ここにはWhyというのがすっぱ抜かれている。例えば、携帯の防水機能。携帯をお風呂やプールで使えると便利だよね、、というHowレベルのことから始まって、なぜ携帯をお風呂で使うといいのか(Why)の議論が飛んでしまっている。プロダクト先行で、Whyの部分が抜けてしまった結果がガラパゴス化という状態に陥ったのではないかと思うのです。
そこでシネックの講演に戻るけど、人を動かすのは”Why”という部分を如何に”共感させるか”ということだった。ということは、製品やサービスについても人の心が動くのは”Why”から始められる欧米人が長けているということなのだろう。思えば今も昔も、何かしらのプロダクトが最初に生まれたのは欧米というものが多いのも事実なのだ。
じゃあ、日本がどんなに努力をしても、ジョブズを生み出せないのだろうか。その答えは分からないが、少なくとも
①今のままでは何かダメだろうという危機意識を持つこと:モノの考え方の大転換→直結するのは教育だろう
②短期的には、21世紀型日本イノベーションの模索:力を入れるべき産業ドメインは何なのか? そもそも欧米人にできないことはないのか?
の2つをしっかり考えないといけないと思う。
最後は消化不良気味だけど、新年なのでちょっと真剣に考えてみました。考え方はそれこそいろいろあるので、僕も書きながら自分の意見を今後もまとめていきたいと思います。
今年もよろしくお願いします。
[…] ジェネラリストというと、専門性の高いスペシャリストの対となり、様々な分野に卓越していてソリューションを作ったり、マネジメントをする人というのが一般的でした。以前、Blogで「日本でジョブズが生まれない理由」という中で、日本をはじめとしたアジア圏ではHowからWhatへアプローチするのがうまいと書きましたが、それはそれぞれが高い専門性を持ちうる民族なのではないかと思うところが大きかったからです。でも、特にIT化が進んだ1990年代頃から、専門性だけではなく、幅広い視座に立てるジェネラリストの育成が急務と言われた時期もあります。それはやはりグローバルに世の中が動く中で、”1つ1つのモノ(モジュール)”ではなく、”全体のシステム”というシステムアプローチ視点に時代が変わっていったことが大きいと思うのです。 […]