今回は珍しくコミック本の紹介。漫画も読まないわけではないけど、なんせ読むスピードが早いのであんま記憶に残らないんですよね。でも、これは面白かった。
主人公は現代から戦国時代にタイムスリップしたシェフのケン。この辺りはテレビで大ヒットした「JIN 仁」に設定が似てなくもないですが、あちらは医者で幕末が舞台だったのに対し、こちらは料理人で戦国時代。戦乱の世で、人がいつ死ぬかという時代に、凄腕のシェフがタイムスリップするという設定だけでも奇想天外です。
でも、逆にそれがいいんですよね。死がいつも隣り合わせだった時代だったからこそ、人の心を動かすのが”食”であるというのが物語の根底にあり、これにすごく共感するのです。前に会社の研修で、人と食事をするということは、その人に対して胸筋を開くという行為をすることと同じと聞いたことがあります。衣・食・住という生活に関わる、もっともプライベートな事項でありながら、もっとも疎かにしやすいのが”食”でもある。でも、その”食”で人の心を動かしたり、癒したりという効果があることが、物語を進めていく重要な起爆剤になっているのです。
それに戦国史好きにも嬉しいキャラクターや、重要なトピックにうまく物語が絡んでいることもいい。ケンの初陣が、信長の生涯の戦いの中ではいささかマイナーな伊勢侵攻の北畠家との戦いというのがすごくマニアック。。この後に朝倉・浅井の連合軍との戦い(金ケ崎の逃亡劇、姉川の戦い)や本願寺との戦いも絡んでくるというのは、、、考えるだけでもワクワクしてきます。
実は、このコミックを原作としたドラマ版もテレビ朝日で絶賛放送中です(TV版「信長のシェフ」)。いささかケンの役どころが少し若い気もしないでもないですが、周りを固めるキャスト陣が豪華なのでこちらも必見でしょう。

プログを投稿しました。【書評】信長のシェフ:食は人の心を開く: http://kinetaku.hiho.jp/wordpress/?p=2682
[…] 前に「信長のシェフ」の書評でも触れたけど、料理は作る方も、食べる方も、人間にとってはすごくプライベートな営みだと思っている。少し話はそれるが、笑福亭鶴瓶もあるラジオ番組で、”あの不味いイタメシ屋で、人生の大事な一食を無駄にしてしまった”と語ったが、1つ1つの食事を大事にすることが人生を豊かにするのではと最近は感じている。それは食べるもの(料理、素材)というのもそうだけど、食べる環境であったり、誰と一緒に食べるのかということもそうだろう。大学のとき、急性胃腸炎で一週間点滴だけで過ごしたことがあって、退院後初めて食べた食事(某チェーン店のドーナツというのが失敗したがw)が本当に食べれるということの幸せを感じたものだ。食は工夫をすれば、人生を楽しくしてくれる。クックパッドはネットの世界で、それを実現しようとしているのだ。 […]