5月 10

「ハッシュパピー バスタブ島の少女」を観ました。
評価:★★☆
(★が星1つ、☆が星半分、★★★★★が最高で、★が最低)
世界のどこかにあるバスタブ島。温暖化・工業化の影響でいずれは沈む行くこの孤島に、父親と住むある少女。幼い頃に出て行った母親の幻影を観ながらも、周りの厳しい現実と向かい合いながら、歯を食いしばって生きる少女の成長物語になっている。
この作品を観ていて思うのは、人の生きる様をうまく捉えているなということだ。人生というのは、嬉しいこと・悲しいこと・楽しいことがそれこそ交互になっている享楽の宴のようなもの。それを素直に表現することは難しくて、エネルギッシュな生き様を切り取ると、パンク表現のような本作のような組み立てになるのだと思う。母親の幻影、厳しい現実社会を投影したバッファローなど、抽象的な映像表現もあるが、それが少女が如何に厳しい現実を生き抜いているかというメッセージと強く結び付き、芸術性という意味では一段高いレベルの作品になっているのだ。
といえ、物語性という観点から見るとちょっと薄く感じてしまうのも然り。これはドラマ作品としてではなく、1つ1つのシークエンスの力強さを感じる芸術作品と捉えたほうがより楽しめるのではないかと思う。