6月 24

言の葉の庭

「言の葉の庭」を観ました。

評価:★★★
(★が星1つ、☆が星半分、★★★★★が最高で、★が最低)

「星を追う子ども」、「秒速5センチメートル」などの作品で知られる新海誠監督の最新作。僕は「秒速5センチメートル」がむっちゃ好きで、それ以来、新海監督の作品を追っているのだけど、残念ながら、それ以外の新海作品はどれもすっきりとした感じの作品がない。本作を観てても思うのだけど、彼の作風はしっかりとした固定の目線を持たずに、時の移り変わりや登場するキャラクターの目線を走馬灯のように変えていくことに美しさを求めている。「秒速5センチメートル」は成長していく主人公たちと時の移り変わりが見事に融和した傑作だったのだが、なかなかそうした彼の作風とぴったり合うものがないように思うのだ。

そうした意味で、この「言の葉の庭」は6月の梅雨の時期に出会った男女二人の心の変遷に焦点が当たっており、春から夏へと移っていく周りの季節の情景とドラマがピッタリと合っている。こうした雰囲気の作品には、新海監督の腕が十二分に発揮されるのだ。ただ、高校生と大人の女性とのはかない恋模様というのが物語的にどうなのか??というところや、タイトルが意味深な感じなのに思ったより底が浅いのが気になるのだが、上映時間も短いので、新海作品の醍醐味を知りたい人にはオススメな入門作品かもしれない。

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