7月 08

殺人の告白

「殺人の告白」を観ました。

評価:★★★★
(★は星1つ、☆は星半分、★★★★★は最高で、★が最低)

1986年から91年にかけて女性10人が殺害された連続殺人事件(華城連続殺人事件)をもとネタにした作品。その真犯人が最後の殺人からの時効を契機に、殺人に関する告白本を出版したらという設定でのお話。こうした実際の事件をもとにした架空の話をでっちあげるのはよくあって、日本なら1968年の3億円強奪事件をもとにしたものが何回も取り上げられている。この華城連続殺人事件も2003年にホン・ジュノ監督によって、「殺人の追憶」という映画(これは刑事ドラマだったが)にもなっている。

「殺人の追憶」がなかなか掴まらない真犯人を刑事を主人公にしたやや重めな人間ドラマで描いていたが、こちらの「殺人の告白」はそれとは真逆のスタイリッシュなサスペンスドラマに仕立てている。後半はやや力の入ったアクションシーンもあり、すごく手に汗握るものになっている。だが、「エンド・オブ・ホワイトハウス」とは違って、アクションシーンはふんだんでも、全く人が死なない健全さも好印象(笑)。サブキャラクターも含めて、下地にあるのはコメディ調に仕立てていることもあって、各キャラクターがしっかりと地に足についたものになっているのだ。だからややくどめなラストシーンも、とってもサッパリしたものになっていると思う。

韓国映画は力があるとは前から思っていたけど、こんな変化球も見事に決めてくる。評価は中程度にしたが、これは案外凄い作品なのかもしれない。

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