8月 21

風立ちぬ

「風立ちぬ」を観ました。

評価:★★★★☆
(★は星1つ、☆は星半分、★★★★★が最高で、★が最低)

 今年の夏の話題映画を観てきました。宮崎駿監督が大人のためにつくったと言われている作品だけあって、大人に訴えかけるメッセージが強く感じました。関東大震災や戦争という混乱した時代背景の中で強く生きていく若者たちを描いていますが、時代背景云々を抜きにしても、やはり自分の使命となる仕事をし、大切にしたい人と出会い、結ばれるという愛の物語の部分は、今の大人たちが見てもすごく共感できると思います。

 僕が一番素敵だなと思ったのは、二郎と菜穂子との愛の絆を描く部分。懸命に仕事に勤しみながらも、菜穂子を思いやる二郎の思いがとても素晴らしい。家で仕事をしながらも、手を握る合う姿なんて、互いの愛が紡ぎだす大人のファンタジー場面ともいえるでしょう。愛しているから一緒にいたい、でも、愛しているから頑張ってほしいという純粋な愛の形が、その他の場面でもうまく描かれています。

 それでも満点評価にしないのは、やはり戦争映画でもありながら、主人公たちに戦争の負い目を描かないことでしょう。零戦という戦争兵器は敵も味方も含めて、多くの命を奪ったことは(時代として仕方がなかったとしても)何か含めて欲しかった。物語自体も少し散文的なところは好き嫌いが分かれるところかもしれません。

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