10月 11

あの頃、君を追いかけた

「あの頃、君を追いかけた」を観ました。

評価:★★★★☆

台湾でベストセラー作家であるギデンズ・コーが自身の青春時代を描いたラブ・ロマンスの映画化作品。台湾では新人男優賞などの各賞を総なめし、香港でも中国語映画での歴代興行記録を打ち立てた作品でもあります。台湾が舞台とはいえ、描いている時代が1994年から2005年までであり、ちょうど僕自身が中学・高校のときとだぶっているので、その時代の雰囲気とか、中学・高校のときのもどかしさとか一気によみがえってきて、かなり自分の姿と投影しながら観てしまいました。主人公やその友達もかっこいい2枚目ではなく、ちょっと抜けたダサい3枚目メンバーになっているのがいいんです。キョンシーネタなんて、まさに世代的にド・ストライクで思わず笑ってしまいました。

映画の結末は触れないですが、ホント観ていて切ないなーと思いました。でも、青春時代って、自分が思うことがなかなか思うようにできなかったことや、今の自分とかけ離れたような状況でもがいたことが、逆に今の自分に成長させてくれたということって結構あるかなと思います。だからこそ、今振り返るとやり切れなかった切なさと同時に、その時代は誰にも侵すようなことができない思い出として強く残っているし、それが今の自分を支えてくれている。そんな当たり前だけど、気づかないことが、この映画にはギュッと詰まっているのです。

全体的に軽妙な味付けにしてあることが、各登場人物の個性をうまく引き立たせることに成功しています。ラブ・ロマンスとしてはロマンスの部分が若干足りない感じもしなくはないですが、これはこれで作品の味になっていると思います。日本での公開規模が小さいのが残念ですが、お近くの劇場でかかっていたら是非観てみて下さい。

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