10月 16

謝罪の王様

「謝罪の王様」を観ました。

評価:★★★

「舞妓Haaaan!!!」や「なくもんか」などのエンタメ映画で力量を見せている水田監督&阿部サダヲ主演&宮藤官九郎脚本という、ゴールデントリオで取り組んでいる究極エンタメ作。とにかく人に謝り倒すというネタだけで、一本の映画にしてしまうというのは、かなり無理があるというか、かなり凄いことを平気でやり抜いているところが本作の魅力だと思います。水田監督作では「綱引いちゃった!」や「花田少年史」などの作品も、僕はお気に入り。人情劇(人情ドラマ)ではかなりド・ストライクなところのお話ながらも、けっしてベタベタな作品にせず、演じている役者やキャラクターの魅力など一アクセントを加えるのが、この監督の持ち味。それが本作では複数の謝り劇を、微妙に軸をずらした多重エピソードとして構成するという妙を見せています。

この映画で描く”謝ること”は究極のコミュニケーションだと思います。最近はとかく自分の非を認めない人が多い。それ以上に逆ギレしてしまう始末なので、コミュニケーションは断絶するところか、更に炎上してしまい、殺人までつながってしまうことも少なくありません。”とりあえず謝ってしまえ”というのは後ろ向きなことに思われますが、どちらの非なのか分からずとも何かが起こってしまったら、とりあえずそこを乗り越えなくてはならない。コミュニケーション過多な時代だからこそ、”謝る”という行為は大事になるのだと思います。

複数エピソードが大団円としてつながる、ラストはちょっと感動。エンディングのミュージックPVもいいんだけど、ちょっと冗長かな。

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