10月 31
「ダイアナ」を観ました。
評価:★★★
王室(日本で言えば、皇室)というのはよく考えると不思議な存在だ。民主国家になった現在において、多くの主権国家にとって、もはや王室というのは象徴でしかない。そこに求めるのは憧れという感情ではなくて、むしろそこに安定的に存在しているという安心感だろう。不幸な事件や自然災害、政治的動揺などがあっても既にそこにある存在。だからこそ、多くの人が敬られるのだ。
この王室にあって、自分らしさを貫き、別居・離婚というスキャンダルにもまみれた女性ダイアナ。悲劇的かつ不可解な死で36歳という若さでなくなった彼女の、別居後から亡くなるまでの短い半生を描いたのが本作。自由奔放に生きたいと思っている自分と、パパラッチなど世間の目から逃れることができない現実の間で苦しむ姿を淡々と描いていくが、ちょっと淡々とし過ぎていて、何も心に留まることがないのが欠点。ナオミ・ワッツの化けっぷりも凄いとは思うけど、作品としては少し盛り上がりに欠けるかなという感じがします。
本作の監督は、「ヒトラー 最期の12日間」のオリヴァー・ヒルシュビーゲル。「ヒトラー 最期の12日間」も同じようにヒトラーが自殺するまでの12日間を描いているのだけど、周りの人間たちとの世界の中で狂言回しのように悲しく最期を迎える姿を描いているのが印象的だった。本作では周りの人間というよりは、ダイアナの目線から主観的に描くのみなので、物語に共感できない要素が多いのかな、、、と、そんな気がしました。