10月 30

人類資金

「人類資金」を観ました。

評価:★☆

太平洋戦争後、GHQに接収された旧日本軍のM資金を巡るサスペンス・ミステリー。NYの国連本部だけでなく、ロシアやタイなどの世界各国をまたにかけていたり、ハリウッド・スターであるヴィンセント・ギャロも出演していたりの話題作ではあるのですが、こうした贅沢なお金の使い方も、中身が残念だと、全てが残念に思えてくる内容の作品。日本映画の製作資金はハリウッドだけでなく、世界レベルで観てもコンパクトなだけに、もっと派手なお金の使い方をして欲しいなともいつも思っているんですが、こういうお金の使い方をするのら、日本映画もまだまだなのかなと思えてしまいます。

本作は、ジャンルでいえばサスペンスという部類にまずは該当するのかもしれないですが、ハリウッド作品(巨大な陰謀に翻弄される主人公という意味では、例えば、「ボーン・アイデンティティー」シリーズとか)に比べると、スピード感があまりになさすぎます。どのシークエンスもまったりした感じで進むので、全体的に作品としてのもっさり感がすごく鼻につく。なので、ときたまあるアクションシーンも重たいことったらない。だったら重厚感ある物語になっているかというと、作品冒頭にすごく旧日本軍を取り上げるのに、後半にそのドラマが全然生かされていない。戦後、命をかけて守られたM資金の意義というものを、もっと作品中に昇華されないといけないのではないでしょうか。

ヴィンセント・ギャロの出演もいいんだけど、「終戦のエンペラー」のトミー・リー・ジョーンズに比べると、品がないというか、自分勝手にアドリブをしまくりで、作品のどっちらけ度が更に上がってしまった気がします。阪本監督は前作の「北のカナリアたち」がよかっただけに、本来ならもっと軽妙に描かないといけない本作には、そもそも作風自体も合っていなかったように思います。唯一、よかったのは国連演説も見事だった森山未來くんだけかな(彼の演技だけで☆1つ追加できます)。本作のようなしっかりとした演技ができるのなら、もっと国際舞台にいっても通用するんじゃないかなと思います。

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