11月 15

ばしゃ馬さんとビックマウス

「ばしゃ馬さんとビックマウス」を観ました。

評価:★★★★

夢に向かって猪突猛進中の”ばしゃ馬さん”と、夢については熱く語るが実質何もしていない”ビックマウス”との夢への挑戦と葛藤を描いたコメディ。夢を実現できている人は別にして、大人になると夢とか考えずに、毎日が惰性的に過ぎてしまっているという人は結構多い。僕自身は学生のときまではそれなりに”○○になりたい”という子どもっぽい夢はあったけど、社会人になってからの夢というのは”こうなりたい”という常に前を目指すタイプの夢に変わりつつある。マラソンに例えれば、子どもの頃の夢は常にゴールを想像してたものだけど、大人になっての夢というのはゴールは何か分からないけど、計測ポイントや中間地点ではこうありたいと走りながら考えているものというものに変わっていると思うのだ。

その意味で、この夢についての映画を観るといろいろ考えさせられる。才能はないけど頑張っているばしゃ馬さんと、夢はあるけど何もしてないビックマウスともに、子どもが夢見る、何かになりたい系の夢だと思う。でも、そんな夢を見続けると、努力しても夢がなかなか達成されないことにつぶされたり、夢自体が夢のまた夢くらいに遠くて何もできない状態になるのは当然のことだろう。そんな夢って、本当に意味のあるものなのか? 苦しみながら彼らが追い求める夢はいつしか違う形の夢の姿になっていくのだ。

こんなに苦しみながらも夢は必要なのかと問われる方も多いだろう。夢は実現しても、しなくても、なければいつまで経っても人の成長はないと僕は思う。素晴らしいキャスト陣とともに、笑い楽しみながらも、夢について考えさせられる素敵な映画だ。

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