12月 02

いとしきエブリデイ

「いとしきエブリデイ」を観ました。

評価:★★★★☆

毎日というのは不思議なもの。平日は朝早く起きて、眠いながらも学校や職場にいく準備をして、昼間は仕事や勉強やサークル・バイトに励み、夕方や夜に疲れて帰ってくる。土日はどっかに行くか、余暇を楽しむかをしているものの、大半の人は平日の繰り返しの生活の中に取り込まれているものではないだろうか。正直、僕も思うけど、毎日という言葉は監獄と一緒。特別なことは大して起こるものではなく、それでも必死に生きているから、今日は終わったと思ったら同じような明日がくる。それを延々と人生は繰り返さないといけない。そんな毎日に意味があるのか、、意味があるんだということを、この映画は教えてくれる。

この作品に描かれるのは、それこそある一家のしがない毎日である。ただ一つ違うのは、夫が刑務所で服役中ということ。幼い子ども4人を抱えるカレンは朝4時過ぎから動き出し、夜は遅いバーのウエイターの仕事まで黙々とした毎日を送る。普通の映画なら、例えば、子どもを抱えて逃飛行に出るとか、育児放棄して子どもだけの生活を余儀なくされるなどのドラマが起きるところだが、この映画は延々と繰り返される毎日を描き続ける。それもキャスト(特に子ども)の成長を捉えるために、5年の長きに渡って、撮影を続けるといった念の入れ様。そこまでして描きたかったのは、”そんな毎日”こそ人生のかけがえのない財産だということなのだ。

子どもたちの成長とともに、”そんな毎日”の生活の中にも様々な問題が起こる。小さい事件の繰り返しの中でも、毎日を生きることで日々人は成長を遂げている。特に、子どもを持つ人たちにとっては、見かけでも大きくなる子どもたちの姿に人生の変遷を感じざるを得ないだろう。子どもを持つことの喜びというのは、この映画を見ていると何となく分かる気がするのだ。人生のいい面も悪い面も、素直に共有できるのが家族の温かみ。ただ、一緒に過ごすことの幸せを感じることができるのが、”家族”という集団の強みだと改めて分かりました。

ラストシーンは本当に素敵。久々にウインターボトム監督の力量を感じることができる作品でした。

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