「くじけないで」を観ました。
評価:★★★
90歳から詩を始め、ベストセラー詩集を出した柴田トヨの人生を書かれた誌をもとに紐解く作品。出演陣もベテラン陣が多く、ターゲットもシニア向けというところなので(こういう層でなんで決まってしまうのだろうと思うけど)、これは中身と真っ正直なコテコテ系かと思いきや、意外に物語構成に工夫がしてあって楽しく観ることができました。トヨが紡ぐ詩とともに、その詩を生み出す要因になった彼女の過去がどんどんと織り込まれる。同時に、90歳の現在のドラマも並行して進むので、混乱しそうだけど、1つのシーンのテーマがはっきりしていて現代と過去が織り交ざっても混乱することがない。しれっと作ってあるようで、作品の潜在能力というのは結構高いのではないかと思います。
作品とは全然関係ないですが、詩というのは誰にでも簡単にできるけど、本当にいい作品はできない奥深いものだなと改めて思いました。誰しも日常の中でモノや人や、出来事や自然などに関わって、その中で何かを感じて生きている。その感じたことを素直に言葉に表せば、それは詩になるんでしょうが、その言葉を紡ぐというのも意外に難しい。映画の中でも、トヨが詩を書くために普段から感じたことを言葉にすることをやっているシーンが描かれますが、あれは年老いて言葉が出ないのではなくて、感じたことを言葉にすること自体が難しいのだと思います。でも、そうした見たこと、感じたことを素直に表す癖をつけていきたいなと何となく感じました。
ベテラン俳優の中では、武田鉄也が今までにはないダメな息子を演じていたのが新鮮でした。それに対して驚いたのが、医者役を演じた上地雄輔かなー。「のぼうの城」あたりから、タレントから俳優としての力量がグンと上がったように思います。今後が楽しみ。