12月 09

スティーブ・ジョブズ

「スティーブ・ジョブズ」を観ました。

評価:★★★☆

IT業界だけにとどまらず、ビジネス界にとっても未だに影響力があるジョブズの半生を描いた映画。半生といっても描かれるのは大学を中退する1972年から冒頭のiPodの紹介シーンとなる2001年頃までの約30年間。それももっと詳しくいうと、メインとなるのがAppleⅠ・Ⅱの製作秘話やマッキントッシュの開発などで、ジョブズが徐々に孤立していく様が中心に描かれています。ジョブズの特に最近の仕事、ジョナサン・アイブとのiMacのデザインについてはチラッと触れられるものの、音楽をサービスとしたiPod~iTunes関連やネットワークに参入したiPhoneなどの部分は全く触れられないので、2000年以降のAppleしか知らない人にとっては、ちょっと琴線に触れることのない作品になってしまったかなという感はあります。

僕は1985年頃、小学生だったけど初代Machintoshの衝撃が凄かったことを今でも覚えています。当時、小学校でMSXとかBASICを使ったゲームを作ったりしてたけど、当時のPCはDOSベースというか、今でいうコマンドプロンプト(Linuxでいうとターミナル)からひたすらGUI画面を想像してプログラミングをするしかなかったんやけど、普通の状態から洗練されたGUI画面が備わっているのが衝撃でした。無論、その後からWindows3.X系が出てくるので、Mac系が一気に廃れてしまって、iMacで再び登場してくるまでAppleというのはお洒落だけど動きが遅いメーカーというイメージしかなかったように思います。

ジョブズの初期の仕事も、それこそイノベーターとして光り輝いた2000年以降の仕事を見ても、情熱的かつ破壊的イノベーターであったことが、この作品を観てもよく分かります。ビジネスを情熱的かつ加速度的に進めていく彼の思考は、決して情に流されることなく、ひたすら製品作り・サービス作りに没頭していくことに尽きます。だからこそ、Appleという製品・サービスが生み出されたのでしょう。徹底的な実力・成果主義がどのビジネス分野でも受け入れられるとは思わないですが、彼が伝説を生みだした人物であると間違えなく分かる作品です(ただし、Appleの初期の歴史を知ってること前提ですけどね)。

preload preload preload