12月 10

攻殻機動隊ARISE border:2

「攻殻機動隊ARISE border:2 Ghost Whispers」を観ました。

評価:★★★☆

4部作で描かれる士郎正宗原作の”攻殻機動隊シリーズ”の前日譚第2部。前作の「Ghost Pain」では公安9課の主人公でもある草薙素子と荒巻、バドーなどの主要キャラクターとの出会いがメインでしたが、本作ではイシカワ、サイトーなどの脇役キャラクターが、公安9課にどう絡んできたかが描かれていて面白い。それに入場者特典でつく小冊子にも書かれているように、タチコマの原型になるロジコマが物語の主要装備(?)として登場するので、前作よりシリーズファンの間口は広く開放されているように思います。

後の本シリーズではバディの関係になる草薙とバドーが(前作もそうでしたが)、本作でも更に対立構造を深めるのがARISEシリーズでの重要なキーになります。バドーの純粋な元上官に対する忠誠心と、その元上官ソガにかけられた戦争犯罪の嫌疑、そしてその裏で暗躍する謎の組織など、物語は一層重厚感を増しています。予想としては、バドーの純粋な想いに対し、彼に降りかかる上層社会の裏切り行為に反目し始め、それが純粋な草薙の姿勢に共感し始める。ARISEシリーズはこういう展開になるのではないかなーと思います。

相変わらず下手くそな絵はスクリーン映えしないですが、1時間も満たさない上映時間で、これだけの重厚なお話にしてくるのは、”攻殻機動隊”シリーズらしい感が徐々に出てきたと思います。上記設定が分からない人には心にも刺さらない作品とは思いますが、攻殻ファンにとっては徐々に面白さの加速度が増してきたことを実感できることでしょう。

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