12月 31

年末にかけて溜まっていた映画感想文を一気に仕上げたのは、年内にこのエントリーを書きたかったからです。それでは文字通り一気に行きましょう。今年は139本の映画を劇場で鑑賞しました。昨年(2012年)は174本だったのでだいぶ減りましたが、まぁ、手術後で1〜2月はあまり動けなかったので、この本数でした。平均150本前後は観ておきたいですね。ざざっと、この1年の映画リストを見直したのですが、今年は洋画の高評価作品が多かったです。頑張れ邦画というのが来年といったところでしょうか。

それでは高評価の数が少ない邦画からトップ10を発表していきましょう。邦画は評価5〜4の間の作品からピックアップしています。

【邦画部門】
1位 そして父になる

父親になることとはというのを、2つの家族の間に起きたある事件から紐解く。是枝監督の代表作に間違えなくなる一作。ラストの味わいもいい。

2位 真夏の方程式

奇しくも、1位と同じく福山雅治主演作。TVドラマのガリレオシリーズ作品なのですが、TVシリーズを知らなくても楽しめるし、1作目の「容疑者Xの献身」との季節対比も非常にいい。

3位 奇跡のリンゴ

結末は成功物語と分かっていても、何でここまで感動できるんだろうという不思議な作品。映画はロケーションや音楽、俳優の力も含めて、全てがトータルパッケージであることが理解できる作品。

4位 少年H

ここ数年、戦争映画というのは戦争そのものを描くのではなく、戦争という異常事態でも、まっすぐ何かを見失わなかった人たちを描くことが主流になってきている。こういう人もいたんだという事実を知ることは、どの時代でも重要。

5位 東京家族

何があっても血がつながっているのは家族。めんどくさくなってきても、常にそこにいるだけで有り難い存在であることが分かる作品。

6位 風立ちぬ

宮崎監督引退前の最後の作品。戦争という中でも、自分のことを見失わず、まっすぐに生きた男の物語。文句なしにいい映画だけど、戦争兵器を作ってしまった男の悲哀みたいな要素をもう少し盛り込んで欲しかった。

7位 旅立ちの島唄 十五の春

エピソードが中途半端に終ってしまっているもののあるけど、それも含めて十代の素晴らしい青春劇とまとめることもできる。エンディングは僕的には最高な作品だなー。

8位 武士の献立

様々な美味しそうな加賀料理とともに、地味だけどしっかり生きることが大切ということが分かる時代劇。若い人も是非観て欲しいな。

9位 ばしゃ馬さんとビックマウス

夢を叶えるとはどういうことなのか、明るい面も、暗い面もよく分かる作品。人生はいろんなことが起こるけど、挑戦しないことには何も始まらないということなのかもしれない。

10位 聖おにいさん

天の国の二大スターが東京郊外で繰り広げる非常識映画。もうちょっと突き抜けた感じも欲しかったけど、これはこれで十分和み&面白い。

さて、邦画はちょっと10本選ぶのが難しかったですが、洋画は高評価ものが多いので、ささっと行きましょう。対象が5〜4.5点のものから選んでいます。

【洋画部門】
1位 アンコール

昨年も笑って泣ける映画を1位にしましたが、今年もこの要素が詰まったステキな作品が1位。歌の場面の歌詞自体も台詞のようになっているし、エンディングまで含めてメッセージになっているのが凄い。テレンス・スタンプが光っているよなー。

2位 クロニクル

映画というのはまだいろんな可能性があることが分かる作品。低予算っぽいんだけど、ラストがアソコまで凄いことになるとは思わなかった。拡大公開して欲しかったんだけどなー、、観てない人は(というか関東以外劇場公開されてないはずなので)是非。

3位 きっと、うまくいく

これも映画というのは奥深いということを感じさせてくれた作品。インド映画というのはケバい、長いというイメージしかなかったんだけど、こんな爽やかな作品も作れるのかというのは新たな発見でした。来年も面白いインド映画を待っています。

4位 天使の分け前

1位に上げた「アンコール」に続くイギリス映画。社会派監督ケン・ローチは庶民の暗く悲しい現実しか撮ってこなかったけど、この作品で初めてハッピー・エンディング(過去にも実はあるのかもしれないけど、、)を作ったのかなと思います。この分け前というタイトルもグッド。

5位 ゼロ・グラビティ

宇宙の何もなさを描き、その中で如何に生き残るかだけを描いた作品。主人公のラスト20分の行動は簡単にできるものではない。3D映画の効果も遺憾なく発揮された作品。

6位 危険なプロット

フランシス・オゾンが仕掛けたのは書かれた物語と現実との境界線。現実の話なのか、虚構の話なのか、むしろ現実と虚構の境界というのは思ったよりも曖昧な線<ライン>しかないのかもしれない。ミステリーとしても抜きに出た傑作。

7位 クラウド・アトラス

一部では駄作扱いされているけど、それは最初からちゃんと観てない人だと思う。時代を超えて、繋がっていくのは人が作る1つの意思。人がする一瞬一瞬の決断が未来の社会をいつでも作っているのだ。

8位 あの頃、君を追いかけた

舞台は台湾ながらも、僕と同じ時期を生きた青年たちの物語。バカをやりながらも常に見つめていた君の姿はそこにあった。観ていて凄く切ない気持ちになる作品。それが青春なんだなー。

9位 ウォール・フラワー

「あの頃、君を追いかけた」と同じような青春映画。青春はバカを許される一時。そのときにどれだけ自分をさらけ出せたかで、その後の人生が大きく変わってくる。傷つくことを恐れては、幸せな人生などやってこないのだ。

10位 エリジウム

上下ものが多かった2013年。これは厳密には上下ものではないけど、世界に分からないように広がる格差と、その格差の超えた向こう側に何があるかとエンターテイメントというフィルタを通した秀作。SFとしても面白い。

洋画離れが進むという昨今ですが、2013年は洋画が面白さを取り戻した印象があります。邦画も是非、TVシリーズの続編などでお茶を濁さずに、面白い作品作りにこだわって欲しいと思います。

2014年も、たくさんの作品に出会えることを期待して。皆さん、よいお年を!

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