1月 08

楽隊のうさぎ

「楽隊のうさぎ」を観ました。

評価:★★★

映画作品の中でも、狙って演技経験のない子どもを役者として使う例がある。有名なのは小津監督の「二十四の瞳」で、子どもの純なリアクションをカメラで追うことを主眼に置き、傑作に仕上げている。近年では吉永小百合主演の「北のカナリアたち」の子役たちだったり、古慨監督の「まぶだち」だったりも、素人子役を使って成功した例だろう。本作も調べる限りは演技経験のない子どもたちを使っているみたいで、冒頭からこの演技の下手くそさは何だろう、、と思ってしまった。

それでも観ていると狙いはだんだん明確に分かってきたように思います。なにしろ撮影期間が1年もかけているということからも分かるように、吹奏楽を通じて、役者としての子どもたちよりも、1人の人間が吹奏楽という中でどう成長していくかを描いているように思います。ラストの定期演奏会前後になると、子どもたちが本当に活き活きとしてくるのがよく分かる(といっても、反応は微妙ですけどね、、)。これは観ていても、ホンワカしてきますよね。

僕も青春時代は吹奏楽とともにあったので、よく分かるシーンがふんだんにあって泣けてきそうでした。一番心揺さぶるのはラストである子がいった台詞「俺らの上に、ずっしりのしかかっているものから開放されるために僕らはやるんや(意訳)」というのは、いいですよね。これは吹奏楽に限らず、サッカーでも、勉強でも、仕事でも、趣味の世界でも何でもいいんですけど、ぼんやりと透明に存在にならないために僕らは生きているんだという強いメッセージだと思います。

肝心のうさぎが??な存在だったり、演技下手だったりという映画作品としての欠点はいろいろありますが、僕的には思い出のスイッチをキュンキュンと押される、素敵な映画でした。

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