3月 25

偉大なる、しゅららぼん

「偉大なる、しゅららぼん」を観ました。

評価:★★★

関西を中心に、ちょっと異界な世界との境界線で起こる物語<ファンタジー>を描いている作家・万城目学の同名小説映画化作品。映画ファンとしては、「鴨川ホルモー」や「プリンセス・トヨトミ」という名前を聞くと、あのような世界観をもった作品ということが理解できるかもしれません。こうした妖怪・奇獣や都市伝説を絡めた物語はどっかまがいものくさいけど、中世の陰陽師のように、そうした異界と人間界とのつながりというのは、私たちの生活にどこか欠くことができない要素になっているのではないかと思います。単純に想像力をかき立てるファンタジーの力というだけでなく、自然界とは遠くなってしまっている私たちが、自然とのつながりを物語の中で感じられる要素(神話とかもそう)なのかなと漠然と思うのです。万城目ワールドは、そうしたことを現代という舞台で描き続けている。これを映像化した作品というのは、面白くなくないわけがありません。

でも、こうした”まがいものの世界”が成立するのも、関西ならではの”ツッコミ文化”だからこそなのかと思います。それこそ「鴨川ホルモー」なんか、ピグミンみたいな幼獣たちを使った合戦サークルって、何やねん、とか。本作だったら、現代なのに城に住んで、琵琶湖から離れられない人たちって、何やねん、、とか、そういうツッコミから始まって物語をどんどん回転させていく。関西ノリが分かっているからこそ、成立する独特の世界観に、関西に所縁がある人はきっと楽しめることでしょう。

ただ、独特の世界観を少し台詞という形で説明し過ぎるのが、イマイチかなと思います。対立する二つの家系、その中での人間構造も含めて、CGとかをうまく使いながら説明をして欲しかった。タイトルになっている、”しゅららぼん”についても、もう少しうまい表現方法がなかったかな。。

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