3月 31

ドラえもん 新・のび太の大魔境

「ドラえもん 新・のび太の大魔境 ペコと5人の探検隊」を観ました。

評価:★★

久々の「ドラえもん」シリーズをスクリーンで観ました。多分、前に見たのは十数年前。当時は、藤子・F先生は亡くなっていたものの、まだ大山のぶ代のドラえもんだったと思います。藤子・F先生がまだご存命だったとき、TVシリーズ以上に力が入っていたのが劇場版”ドラえもん”シリーズ。ドラえもんの連載がされていたコロコロコミックで、(確かという記憶なので、正確ではないかもしれないですが)映画版が作られる前に、まずはコミック長編として原作が連載発表され、それがリメイクされるという形で映画版が作られるといった力の入れよう。反応や世情の作り替わりを的確にとらえ、原作を膨らませ、劇場版アニメとして集大成をさせるという作り方が、藤子道の王道だったような気がします。

大山のぶ代版でなくなった、新声優陣のドラえもんも、確かテレビで見たことがある気がします。この映画版もそうですが、絵は確かに綺麗になったものの、物語としての奥行き感というか、立体感がすごくなくなった印象がしました。本作は1982年に劇場公開(原作連載は、その前の年の1981年)になった第3作のリメイクといった形で、物語の基本骨子に大きな変更はない形で進みます。本作の1番の見どころは、ペコとのび太のやり取りというよりは、サブキャラクターであるジャイアンとペコの不思議な友情というのがメインになるはずなんです。いつもは力で仲間を従わせる暴れん坊キャラのジャイアンですが、同時にお山の大将(リーダー)として守ってきた地位が、彼の無謀な行動によって、力だけでは仲間を従わせれなくなる。それがペコがバウワンコを力をもった腹心に乗っ取られる構図と対になってきて、リーダーとしての苦しみを互いに共有することになる。のび太が主人公に見えながら、実はジャイアンが主人公(実は、ドラえもん映画にはこういうパターンが多い。「鉄人兵団」は実はしずちゃんが主人公だし)というのが、原作と第3作となった劇場版の流れだったんです。

ところが、本作はこうした流れを少し無視して、あくまで、のび太を中心に物語を組み立てようとしている。無論、ジャイアンとペコのお話もあるんだけど、ジャイアンが序盤、メインストリームにいないので、なぜペコと意識が通じ合うのかがイマイチ分からない。ひみつ道具の登場場面も、旧作に比べると、なんかドキドキしないんだよな。。これは僕が大人になった証拠なのでしょうか??

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