4月 01

ロボコップ

「ロボコップ」を観ました。

評価:★★★

「ロボコップ」といえば、ポール・ヴァーホーヴェン監督の代表作といってもいいでしょう。「トータル・リコール」(もちろん、シュワちゃん版)と併せて、80年代SF作品の金字塔(「トータル~」は1990年製作だけど)ともいえる作品です。ヴァーホーヴェン版のロボコップの見どころといえば、1984年製作という今からほぼ30年前の映画というのを感じさせない近未来感と、完璧な作業をこなすロボットへの反社会的な見方というか、人間の反骨魂的な部分を物語に完璧に詰めているところといえます。それが現代のVFXを使い、かつデザインもポスターのように、黒のスタイリッシュな形で蘇る。これは観ないわけにはいかないでしょう。

冒頭のニュース映像の部分から、もうロボコップの世界観。犯罪が多発する近未来の都市で、犯罪を防ぐ究極的なアイテムとして提案される警察ロボット。しかし、ロボットの完璧ともいえる業務遂行能力は、犯罪を防ぐというよりは、人を安全という名の下に、強制的に従わせるということが懸念視されていた。その融和策として提案された、人とロボットの中間的な立場として登場したロボコップ。圧倒的な業務能力と社会の人気を獲得したロボコップだが、オムニスコープ社の狙いは別のところにあったのだった。

物語の展開は、ほぼ84年の「ロボコップ」を継承しているものの、最終的なオムニスコープ社の陰謀というのが、あまり悪意を満ちたものに思えなくなってきているのが、時代がテロというのを脅威として捉えるように変わってきたからなのかもしれません。ただ、たださえ複雑な陰謀の絡んだ話の展開を、この新バージョンの映画は、映像がスタイリッシュになった分、逆にちゃんと肝になる部分を描けてないように思います。僕も、ロボコップの世界観を全く分からずに、この映画を観たら、誰が悪者で、なぜ悪なのか理解できなかったことでしょう。リメイクは嬉しいですが、ファンだけしか分かりにくい作品になってしまったことが残念です。

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