4月 01

神様のカルテ2

「神様のカルテ2」を観ました。

評価:★★★★

世の中に、医者と先生は完璧な人間といわれている。僕は生まれつきの障害もあって、小さい頃から、社会人になったつい最近までも年に数回は入院したりしていて、特に小学校の頃とか、学校と同じくらい、病院という場所が生活に身近な場所だった。そこにいるお医者さんというところで印象的なのは、夜勤明けで医局のソファやストレッチャーの上で寝ていたり、土日も関係なく、入院している人の様子を見に来たりと、社会人となった今になって思うと、(一部の開業専門医を除いて)かなり激務なんだということを思い知らされます。それで病気が治って感謝されることは少なく、むしろ患者を治して当たり前と思われる。そんな医者も、一人の人間なのだと描いているのが、本作のように思います。

本作は2011年に公開になった「神様のカルテ」の続編になっています。が、前作がどちらかといえば、主人公・栗原の医者としての自立と、周りの人間の関りを描いているのに対し、本作は医者の一人間のしての在り方みたいのがテーマになっているので、前作を必ずしも観てなくても分かる話になっていると思います。象徴的なのが、栗原の学生時代の同期として、新しく本庄病院に赴任してくる進藤。医者と一人間とのバランスを崩してしまっている、進藤の家庭の在り方と、栗原の師匠であった貫田医師を襲う突然の病によって、栗原自身も改めて、医者という職業の本質と向き合うことになってくる。

医者という独特の職業を描いているものの、大なり小なり、自分自身のプライベートな部分と職業人としての自分を相互に見つめることがあると思います。そこで何を選択していくかは答えを出すのが難しい問題ですが、家庭やプライベートなのか、仕事なのか、何を選択にするにしろ、そこに自分自身がどう生きていくのかで答えを出すこと(あるいは答えを追い求めること)が、人生を生きることなのだと思います。病に侵されながらも、貫田医師が最後まで貫こうとした生き方に、観ていて涙が溢れてきました。

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