8月 27

GODZILLA

「GODZILLA ゴジラ」を観ました。

評価:★★★★

IMAXの3D字幕にて。

東宝グループが今年の前半、結構力を入れて宣言していたハリウッド第2回目となる米国版「GODZILLA」。1998年に公開された前作(といっても、つながりは全くないけど)は「インディペンデンス・デイ」のローランド・エメリッヒ監督によるものでしたが、話の筋からも、どこか「エイリアン」シリーズとの合いの子のような、不完全な形(怪獣の造形美も含めてね)で終わった残念な作品でした。そんな反省も踏まえてか、本作は力の入れようがすごいものになっている。まず、すごいのはゴジラそのものの圧倒的な描写力だろう。IMAXで観た迫力も相まってか、前作のようなトカゲに毛の生えたようなものではなく、ゴジラだといわれても分かるような造形の細かさと、その迫力に圧倒される。IMAXで観れれば、それに越したことはないが、そうでなくとも映画館の大スクリーンに十分に映える作品になっています。

それに伴うお話のほうも、怪獣映画ファンとしては十分に評価できるものになっています。話自体は、98年版「GODZILLA」はもとい、過去のゴジラ映画には関わりのない形になっていますが、数あるゴジラ映画の中でも、ゴジラが人類の危険を予知し、あたかも助けてくれるような(本人!?はそんな自覚ないでしょうが)組み立てになっているシリーズ作品に近いと思います。ここではゴジラは脅威ではなく、ゴジラ自身も、人類も、大きな地球という生態系の中で生きていく生物に過ぎない。ゴジラ自身も生き抜くために戦っていく姿に、ゴジラを人類の脅威と見るか、逆に味方と見るか、、、シリーズ続編が出るかどうかは分かりませんが、このあたりが次作につながる鍵のような気がします。

平成版ゴジラも昔から結構見ていますが、ゴジラは敵のようで敵でない、味方のような味方でもないという微妙な立ち位置の生物だということが、怪獣映画としての面白さを生んでいる部分だと思っています。それは日本怪獣映画の独自部分だと思っていましたが、それを拙いまでも、ハリウッドで同じような形で作られてしまいました。ハリウッドならではの迫力ということもさることながら、日本でも今一度怪獣映画(ゴジラでなくとも)を復活させてほしいなと願わずにはいられません。

次回レビュー予定は、「マンデラ 自由への長い道」です。

preload preload preload