12月 24

ホビット 決戦のゆくえ

「ホビット 決戦のゆくえ」を観ました。

評価:★★★☆

IMAX3Dの字幕版にて。

J.R.R.トールキンによる「ホビットの冒険」の映画化シリーズ最終章。本作の監督でもあるピーター・ジャクソンは、この「ホビット」シリーズの次章にあたる「指輪物語」(「ロード・オブ・ザ・リング」)も映画化していますが、あちらは原作だけでも、分厚い単行本3冊(日本語版は各巻上下刊構成の6冊)という壮大なシリーズの映画化でしたが、この「ホビット」は壮大な「指輪物語」の序章となるため、短い一編のお話。それを「ロード・オブ・ザ・リング」シリーズのように長尺な三部作にしようとしているので、どこかで無理は出てくるだろうと思っていました。それが、この最後の最後で出てくるとは思ってもいませんでしたけどね。。

前作「ホビット 竜に奪われた王国」では、はなれ山に住む巨大なドラゴンが復活し、人間が住んでいた港町を襲うシーンで終了しました。本作は、その港町での攻防からスタート。ただ、前作から持ち越した割には、この攻防シーンが結構あっけない幕切れを迎えます。そして、舞台はドラゴンがいなくなった、はなれ山へ。巨大な財宝を抱える、このドワーフの王国にエルフ、人間、そして、1作目からドワーフたちを追いかけていたアゾグらも加わり、題名通りの壮大な戦の火ぶたが切って落とされるのです。

戦いのシーンが中心になるのは、「ロード・オブ・ザ・リング」シリーズの最終章「王の帰還」でもそうだったので、それほど目を奪われることではないですが、「ロード・オブ~」のほうは、それとは別にフロドに託された巨大な力を潜める指輪の行方という、シリーズを通した核となる物語の終焉も合わせて描かれたので、見応えたっぷりな作品になっていました。それが、「ホビット」シリーズの最終章である本作は、ただ戦いのシーンのみが盛り上がるだけに終わってしまっています。前作までは「ロード・オブ~」につながるミニエピソードを何とか繋いでしのいでいましたが、それも万策尽きたのか、ガラドリエルたちのサウロンの攻防シーンのみ。もちろん、旅の仲間たちの別れなど泣けるシーンもありますが、シリーズ最後なのに全体的に小さくまとまってしまったのが、何とも残念でなりません。

それでも、「ロード・オブ・ザ・リング」、「ホビット」とそれぞれのシリーズを通して、J.R.R.トールキンの偉大なファンタジーの枠組みをしっかりと描き続け、一定のブランド力を保ったままに終焉をしてくれたのは、ファンとしても本当に嬉しいの一言。ワーナーから、「ロード・オブ・ザ・リング」シリーズのブルーレイ(是非、完全版となるエクステンテッドエディションで)も再販されているので、お正月休みを利用して、もう一度シリーズ通して、観直してみたいと思いました。

次回レビュー予定は、「寄生獣」です。

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