1月 29

ST

「ST 赤と白の捜査ファイル」を観ました。

評価:★

藤原竜也と岡田将生という映画界でも演技派若手による大人気TVシリーズの映画化作品。僕は映画も好きですが、TVドラマも結構見ていて、ちょうど、この作品もTVドラマをオンタイムで見て、面白かったし、シリーズ完結編はどうなるんだろうと思って、劇場に足を運んだ次第です(映画を期待しているというよりも、シリーズを見通したいという気持ちのほうが大)。TVドラマシリーズのストーリーとしては一応の完結は観れたので、一ファンとしては満足感はありますが、映画ファンの視点から言うと、映画にすべきじゃなかった作品かなという感じ。テレビドラマの映画化作品というのは、もう定番となっていますが、この作品はテレビでの面白さをそのまま映画に持ってきて失敗していると思うのです。

TVドラマから映画の枠組みに持ってきて成功し、映画としても一定の評価がされる作品(とくに、同じ刑事もの)としては、「踊る大捜査線」シリーズがあるでしょう。路線もコメディ&ドラマという形で本作とも共通なのですが、比較して明らかに分かるのは、物語としての奥行き(深みともいえるかも)があるかどうか。例えば、1998年に公開された「踊る大捜査線 The Movie」はTVドラマでの濃いキャラをそのままスクリーンに登場させるだけではなく、映画作品としても黒澤監督の「天国と地獄」をモチーフにした引用を巧みに使い、ミステリーとして一捻りある作品に仕立て上げていました。映画作品になると、当然単発TVドラマと違い、上映時間が長尺になります。テレビでも2時間ドラマとかは普通にありますが、CMが挟まるテレビとは違い、映画はその上映時間分だけ観客を飽きさせない工夫をしないといけない。それが本作では、やっぱりその場その場の面白さにこだわりすぎていて、1本の作品として観たときの筋の悪さというか、粗が目立ってなりませんでした。

犯人グループが警察に仕掛ける罠など、見どころはなくはないのですが、実行犯たちのキャラクター像がどうも薄っぺらく見えてならない。1つのシークエンスの見せ方も妙にクリアすぎて、テレビだったらいいのかもしれないですが、映画だと視界良好過ぎて、観客に想像させる余地を与えないのは逆に不親切な演出のように思えます。STのメンバーは濃くて面白いのに、映画はテレビドラマを前提にしているところが多すぎて、映画単体で観るとキャラクター像も書き込み不足。いっそ、「名探偵コナン」シリーズでの冒頭のキャラ紹介ダイジェストでも作ってしまえばいいのに、、と思ってしまいます。何のテレビシリーズ映画化作品でもそうですが、映画単品での面白さをやはり追求しないと、作品は面白くならないんだなということを改めて再認識しました。

次回レビュー予定は、「ANNIE/アニー」です。

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